オートデスクが製造業向け設計ソリューションの最新版

3D-CADやシミュレーション製品など、モデリング機能を強化

 2015.04.04−オートデスクは3日、製造業向け設計ソリューションの最新版を7日から順次発売すると発表した。設計・解析などの機能がそれぞれに強化されたことん加え、実際に開発を担当する設計者だけでなく、材料や部品の調達担当、製造担当などの関係者との間の情報共有やコラボレーションを推進する機能もグレードアップされている。

 今回発表された新バージョンは、三次元機械設計CADソフト「Autodesk Inventor 2015」(発売4月9日、66万円から)、解析と配管・配線、ツーリング機能を兼ね備えた「Autodesk Inventor Professional 2015」(同4月9日、106万5,000円から)、CADデータ管理ソフトとしてリビジョン管理とセキュリティ管理機能を搭載した「Autodesk Vault Workgroup 2015」(同4月17日、14万6,000円から)、設計変更管理とERP連携機能を加えた「Autodesk Vault Professional 2015」(同4月7日、25万円から)、データ管理アプリケーションの「Autodesk Vault Office 2015」(同4月7日、7万3,000円から)、樹脂流動解析ソフトの「Autodesk Simulation Moldflow Adviser 2015」(発売4月9日)と上位版の「Autodesk Simulation Moldflow Insight 2015」(同)、専用プリポストの「Autodesk Simulation Moldflow Synergy 2015」(同)、熱流体解析ソフトの「Autodesk Simulation CFD 2015」(同)、専用プリポストの「Autodesk Simulation CFD Design Study Environment 2015」(同)、強度・振動・熱伝導・疲労解析、非線形解析、弾性体を考慮した機構解析ソフト「Autodesk Simulation Mechanical 2015」(同)、構造解析・熱流体解析・建築構造解析を一体化した「Autodesk Simulation Flex 2015」(同)、樹脂流動解析・構造解析・熱流体解析・建築構造解析を一体化した「Autodesk Simulation Moldflow Flex 2015」(同)、点群データを編集・可視化する「Autodesk ReCap Pro」(同4月7日、6万6,000円から)、数枚の写真から三次元モデルを生成するクラウドサービス「Autodesk ReCap 360」(同4月7日、7,000円から)−の各製品。

 「Inventor」関係では、とくにモデリング機能が強化された。フリーフォームモデリングは、モデルの面やエッジ、点を自由に操作し、イメージ通りの形状を作成することが可能。三次元CADに組み込まれているため、形状データが製造に直結できることが強みだという。また、パラメトリックモデリングとダイレクトモデリングの融合が可能になり、任意のジオメトリーを直接選択してサイズ変更や移動・回転を実行すると、パラメーターが付与されて再編集が容易に行える。さらに、部品数が4,000点を超えるような大規模なアセンブリーデータを高速に扱う簡易モードでの制約が大幅に軽減されたため、結果的にアセンブリーデータが非常に扱いやすくなったという。

 シミュレーション関係では、まず「Moldflow」に成形条件の最適解を探るパラメトリックスタディ機能が搭載された。成形パラメーターを変えながら連続的に解析を行い、望ましい製品品質を満たすパラメーターの組み合わせを見つけ出そうというもの。複数の解析結果のフィルタリングやソーティングによって、最適条件を明確にすることができる。また、射出圧縮成形解析とオーバーモールディング解析を同時に行う機能や、熱硬化性樹脂圧縮成形の半導体封止成形ワイヤースイープ機能などを搭載している。木材・複合材・ラベルなどの異方性インサート成形シミュレーションも可能になった。

 「CFD」では、液体と気体の相変化に対応できるようになったことが大きなポイント。熱や流れの挙動における沸騰・凝縮などの影響が考慮できる。水やアンモニアをはじめとする各種冷媒のカスタム混合にも適用でき、熱交換器やラジエーターなどの設計に役立つという。また、電子機器の内部の熱流体解析を効率化するため、簡易的なヒートシンクモデルを導入した。これまではヒートシンクの複雑な形状をモデリングでつくり込む必要があったが、ブロック状の簡易モデルを使用することで解析速度が2倍以上になる場合もあるようだ。

 最後に、「ReCap」は昨年製品化されたアプリケーションで、実物をスキャンしてCADデータに変換する機能がある。複数のポイントから取り込んだスキャンデータや写真を合成して三次元CADデータを生成する。「ReCap 360」はこの技術を利用したクラウドサービスで、スキャンしたデータをチームで共有しコラボレーションするための「Real View on ReCap 360」と、複数の写真をアップロードするだけで三次元データを作成してくれる「Photo on ReCap 360」という2つのサービスがある。

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