富士通が次世代スパコンの試作機を国内初公開
15日から富士通フォーラムで、「京」1ラックの性能が2Uサイズに
2014.05.14−富士通は、あす15日から開催する「富士通フォーラム2014」の会場(有楽町、東京国際フォーラム)で、スーパーコンピューター「京」の直系になる「PRIMEHPC FX10」の後継機として開発中のプロトタイプを国内で初公開する。心臓部であるCPUユニットと、標準規格のラックに搭載可能なシャーシに仕上げた本体をみることができる。昨年11月に米国で開催された「SC13」で展示されたもので、日本では初めて披露される。1シャーシで「京」の1ラック相当の演算能力があり、国家プロジェクトで開発がスタートしたエクサスケール完成までの間隙を埋める100ペタFLOPSクラスを狙ったマシンになるという。
今回のプロトタイプ(FX10後継機)のCPUは「SPARC64 IX(ナイン)fx」の後継チップとなり、1チップで約1テラFLOPSの性能を発揮する。「京」のCPUである「SPARC64 VIII(エイト)fx」は128ギガFLOPSであるため、大幅な性能向上を達成することになる。展示されているCPUメモリーボードには、3個のCPUが搭載されており、メモリーには高バンド幅で電力性能に優れたHMC(ハイブリッドメモリーキューブ)が採用されている。
プロトタイプのシャーシは2Uサイズで、CPUボードが4枚入る仕様。1台で12ノードの高密実装が可能であり、冷却は水冷方式を採用している。「京」ではラックも専用設計だったが、今回のプロトタイプは標準の19インチラックを使用できるようにデザインされた。1シャーシ当たりの性能は約12テラFLOPSになるが、これはちょうど96ノードを搭載した「京」の1ラックに相当するという。
FX10後継機に関しては、これ以上の詳しい情報や発売時期などはまだ明らかにされていない。ただ、製品としての登場はそれほど先ではないと考えられる。
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<関連リンク>:
富士通(富士通フォーラム案内ページ)
http://forum.fujitsu.com/2014/tokyo/
富士通(スーパーコンピューター製品紹介ページ)
http://jp.fujitsu.com/solutions/hpc/products/primehpc/?md=pd-cp-server-primehpc