マイクロソフトがWindows 8.1のアップデートをリリース

マウス操作で使いやすく改良、デスクトップ基本の使い方に配慮

 2014.04.09−日本マイクロソフトは8日、きょう9日から開始するWindows 8.1のアップデートリリースに関する記者説明会を開催した。「8」から1年半、「8.1」から半年の間が空いているが、全世界のユーザーの要望を速やかに反映させる“ラピッドリリース”の考え方に基づくもの。キーボードやマウス操作に慣れた以前からのユーザーにも使いやすくなるように改良を施した。Windows 8はタッチ操作を前提とした「スタート」画面と昔ながらの「デスクトップ」画面が分離され、それぞれ操作法が異なることに批判もあった。とくにデスクトップユーザーが違和感を持たないように工夫したという。

 同社の説明によると、「7」から「8」はメジャーバージョンアップ、「8」から「8.1」はマイナーバージョンアップであったのに対し、今回は「8.1」からのアップデートと位置づけており、「Windows 8.1 Update」が最新版の正式な呼称ということになる。日本時間で9日の朝からWindowsアップデートを介して無償で提供される。企業などのボリュームライセンスユーザーに対しては、15日からメディアが提供される予定。

 さて、説明会の冒頭では、コンシューマー&パートナーグループ担当の香山春明執行役常務がWindowsビジネスの近況を説明した。それによると、3月まで法人向け需要が急速に伸長し、昨年10月以降は前年同月で50%以上の伸びをみせているという。コンシューマー向けは年明けから前年プラスに盛り返し、3月は前年の2倍の出荷量を記録した。「XPのサポート終了や消費税前の駆け込みの影響があるとはいえ、消費者にとって他の選択肢もあるなかでWindowsがこれだけ伸びたということはわれわれとしても予想外であり、Windowsの価値が再認識されたと思っている」と述べた。

 同社によると、世界で15億人がキーボードやマウスをメインにPCを利用しているが、現在販売されている機種では40%がタッチパネル対応型となっているという。つまり、タッチ操作のユーザーは急速に増加しているが、キーボードやマウス操作に慣れたユーザーも非常に多いのが実態である。そこで今回の「Windows 8.1 Update」では、とくに従来ユーザーから不評だった部分の改善に取り組んだ。

 具体的には、「デスクトップ」画面をメインに使いたい人への配慮として、PCの起動時にデスクトップが表示されるように設定できるようになったほか、ストアアプリをデスクトップのタスクバーにピン留めして、デスクトップから直接アプリを開いたり、アプリを切り替えたりすることが可能になった。アプリは全画面で動作するが、今回から右上に見慣れた「最小化」「閉じる」のボタンが表示されるようになり、そこをマウスでクリックするだけで、簡単にデスクトップ画面に戻ることができる。また、アプリが全画面表示で動作中でも、マウスを画面の最下部に移動させると、タスクバーが表示されるようになった。

 さらに、スタート画面も改良された。とくに、電源を切るボタンがどこにあるかわからないという不評があったが、今回の「Windows 8.1 Update」ではスタート画面の右上に電源ボタンが常時表示されるようになった。また、以前はスタート画面ではマウスの右クリックが無効だったが、今回からタイルの上で右クリックするとコンテクストメニューがポップアップして、タイルのアプリをタスクバーにピン留めしたり、タイルのサイズを変更したりすることがマウスで簡単に行えるようになった。

 そのほか、Internet Explorer 11(IE11)の互換性向上として、古いバージョンのIE向けにつくられて、IE11で開けなかったページなどに対応するための「エンタープライズモード」が設けられた。また、企業などで社内のサーバーからアプリを配布したいというニーズに向けて、「エンタープライズサイトローディング」のライセンス条件などが柔軟に変更され、より簡単に行えるようになったという。

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<関連リンク>:

日本マイクロソフト(Windows 8.1 製品紹介ページ)
http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows-8/meet


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