SASが医薬品研究開発向けビッグデータ活用でシオノギ製薬と共同研究

Hadoop対応インメモリー技術を活用、機械学習処理の分散並列化

 2014.09.05−SAS Institute Japanは3日、医薬品研究開発基盤としてHadoop対応のビッグデータ環境を活用した共同研究プロジェクトをシオノギ製薬とスタートさせると発表した。Hadoopクラスター上での分散並列処理を効率化する「SAS In-Memory Statistics for Hadoop」を採用し、新薬の開発や安全性の研究で社内に蓄積された大量のデータを再活用するとともに、そこにさまざまなオープンデータを組み合わせることでデータ解析の高度化・高精度化を図り、新薬開発を促進する情報基盤をつくりあげていく。

 今回の共同プロジェクトの目的は、(1)医薬品開発業務におけるビッグデータ&オープンデータ活用に向けた組織、業務プロセス、データ、システムなどの観点からの課題、ならびに改善機会の特定、そのためのアクションプランの立案、(2)安全性シグナル検出ダッシュボード、医薬品間のネットワーク・メタアナリシスなど、ビッグデータ活用の組織内外での普及・定着化に向けたサンプルレポートの開発、(3)医薬品開発業務への利用価値と利用容易性の観点からの各オープンデータの評価〜となっている。

 とくに、ビッグデータとオープンデータ分析のさらなる効率化を目指しており、幅広くHadoopを活用するために、使い慣れた分析基盤であるSASシステムを使用することを決定。Hadoop上での機械学習処理および統計解析を行うことにした。通常のHadoopフレームワークでは機械学習処理のパフォーマンスに課題があるが、今回はSASのインメモリーテクノロジーを使用することにより、データをメモリー上に保持した分散並列処理を実現。使い慣れた分析ツールを利用できるメリットもあり、ユーザーは大量のデータから価値を引き出すことだけに専念できるという。

 SASとしては、今回の研究プロジェクトを通し、医薬品開発分野へのHadoop利用の促進、ビッグデータとオープンデータ活用の新たなビジネスモデル構築、医療・健康領域の大学・企業・病院などの関係各方面への貢献などを目指していく。

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<関連リンク>:

SAS Institute Japan(トップページ)
http://www.sas.com/ja_jp/home.html

SAS Institute Japan(Hadoop用ソリューションのページ)
http://www.sas.com/ja_jp/software/sas-hadoop.html


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