千葉市がICTを活用して市民協動のまちづくり
道路の不具合などスマホで報告、レポーター募集を開始
2014.08.30−千葉市(熊谷俊人市長)は28日、ICTを活用した市民協動のまちづくりを目的とした「ちば市民協動レポート」(ちばレポ)を本格的にスタートさせると発表した。セールスフォース・ドットコムが提供するクラウド型モバイルプラットホームのSalesdorce1を基盤に構築しており、市民がみつけた道路の陥没などの不具合をスマートフォンでその場から送信してもらい、ウェブ上にそのレポートを公開する。可視化された地域の課題を市民と市役所が共有し、速やかに解決に当たろうというもの。ICTを活用して市民が市政に参加する取り組みは全国でも初で、千葉市ではこのシステムを他の自治体にも広げるよう努力していく。
「ちばレポ」は昨年度に実証実験を行い、その運用課題などを踏まえて本格的にスタートさせたもの。28日からレポーター募集を開始し、9月16日から実際にレポートの受け付けを始める。3年間で5,000人のレポーターを集める予定で、5年間で6,600万円の予算を計上している。
レポーターになった人(千葉市在住、在勤、在学が基本)は、自分のスマートフォンに専用アプリをダウンロードし、市に知らせたい情報をみつけると、その状況を写真(3枚まで)や動画(10秒まで)で記録、道路・公園・ごみ・その他の4区分から指定し、コメントを付けて送信する。そのレポートは順次地図上にマッピングされてウェブで公開される仕組みとなっている。
市役所側は、それらのレポートを「市役所が解決すべきもの」(道路の舗装、ガードレールの破損修理など)と「市民の力で解決できるもの」(公園の草刈り、ベンチの落書き消しなど)に切り分けて、セールスフォースのCRMシステムに登録していく。千葉市は現在、市民からの情報を電話やFAXで受け付けており、それらは道路関係や公園関係を中心に年間1万5,000件ほどに達している。それらの管理も今回のシステムに一本化するとともに、電話などでの通報がネットに移行していくことにより、大きなコスト削減につながると期待されるということだ。
来年3月からは、市民自身による解決を含めた市民協動スタイルの運用に取り組むほか、同4月からは町のおすすめスポットなど新しいタイプのレポート受け付けも開始する。将来的には、さまざまなアプリを集めて、市民サービスを充実させたいとしている。
熊谷俊人市長は、「市民の意識を変えることが大きな狙い。実証実験でも、何かみつけて報告しようと意識するので、町をみる目がいままでと違ってきたという声があった。地域に関心があっても、昔ながらの共同体のやり方になじめないという人も多いのではないか。日常的にちばレポを使うことで町との一体感を感じてもらえればと思う。非常に良いものができたので、他の自治体の首長の方々にも積極的にトップセールスを行い、仲間を広げていきたい」と述べている。
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<関連リンク>:
千葉市(ちばレポ専用ホームページ)
http://chibarepo.force.com/
セールスフォース・ドットコム(トップページ)
http://www.salesforce.com/jp/