2014年冬CCS特集:アフィニティサイエンス
創薬支援で新機能提供、受託研究ビジネスにも進出
2014.12.04−アフィニティサイエンスは、薬物設計および材料設計のための内外の優れたパッケージソフトを販売するほか、この分野のオープンソースソフト(OSS)を利用するためのサポート、計算環境の構築の相談などさまざまなサービスを提供している。
パッケージ製品では、オーストリアのインテ・リガンド社のファーマコフォア研究向け統合ソフト「Ligand Scout」が近くバージョン4.0に機能強化される。通常はリガンドが結合した複合体からファーマコフォアモデルを作成するが、最新版ではアポタンパク質の結合サイトを計算で求めて、ファーマコフォアを生成することが可能。また、分子動力学計算のトラジェクトリーファイルを読み込んで、ファーマコフォア解析を行う機能も追加される。ダイナミックなスナップショットをもとにするので、タンパク質の揺らぎを反映した解析が可能になるという。
さらに、新しい配座発生プログラムが追加されるほか、ドッキングプログラムの「AutoDock 4.0」が統合され、「Ligand Scout」のグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)からシームレスに利用することができるようになった。
そのほか、材料科学向けの電子構造計算ソフト「WIEN2k」(ウィーン工科大学)、大規模密度汎関数法ソフト「SIESTA」(スペインのナノテック社)、高速分子動力学ソフト「DL-POLY」(英国科学技術施設会議)も順調に実績を重ねている。とくに「WIEN2k」は、SPring-8などのX線解析の利用の広がりに対応して、計算ニーズが立ち上がってきているということだ。
それに加え、新たに結晶構造作成ソフト「Crystal Maker」(英クリスタルメーカー)の販売権も取得した。「WIEN2k」「DL-POLY」に対するプリ/ポスト機能を持つことから、組み合わせた販売も進めていく。
一方、同社では専門知識を持つ技術スタッフを拡充し、創薬支援のための受託研究ビジネスにも乗り出すことにした。ソフトの購入相談だけでなく、実際の研究テーマに則した高度な問い合わせが増えていることに対応したもの。インシリコスクリーニング、高精度ドッキング解析、化合物データベース整備など、さまざまな要望に応えていく。