2015年冬CCS特集:コンフレックス

配座探索ソフト最新版、分子軌道法との連携を強化

 2014.12.04−コンフレックスは、さまざまなユーザーニーズに対応して、専門ノウハウを生かした幅広い計算化学ソリューションを提供している。中核になるのは自社開発の配座空間探索ソフト「CONFLEX」で、正確な最適化構造をみつけだすことができるため、米ガウシアン社の分子軌道法ソフト「Gaussian」の入力データに応用する使い方が広まってきており、実践的な利用法を身につける講習会などを開催して多くのユーザーを集めている。

 通常の計算化学による構造最適化計算は、最初に入力した初期構造に依存してしまい、局所的な安定構造に落ち込んで正確な解が得られない場合が多いが、事前に「CONFLEX」で配座空間をもれなく探索することにより、そうした問題を回避して正確な分子シミュレーションを実行することが可能。

 現在の最新版はバージョン7で、結晶構造の探索機能の評価が高い。今年度中にはリビジョンアップが予定されており、さらにグラフィックインターフェースを改善する予定。すでに、「CONFLEX」からダイレクトにサーバー上の「Gaussian」を起動することができるが、それをローカルマシン内でも実行できるようにし、計算結果の表示機能も強化する。

 また、サーバーでの並列処理が可能な「Parallel CONFLEX」については、ユーザーの要望が多いため、既存のLinuxに加えて、Windows環境にも対応させることにした。今年から、計算科学振興財団のFOCUSスパコンにおいて従量課金制で「Parallel CONFLEX」が利用できるようになっているため、ユーザーの関心も高まっている。同財団のおひざ元である神戸で開催する講習会は毎回大盛況だという。

 一方、カリフォルニア大学で開発された分子動力学ソフト「AMBER」については、グラフィックプロセッサー(GPU)対応などの高速計算で注目されているが、このほどインテルのXeonPhiアクセラレーターにも対応し、さらに選択肢が広がった。GPUも、4台までだった使用制限がなくなり、8台以上の大規模なGPU環境での動作が可能になっている。

 そのほか、事業面では中国に2つ目の代理店を設けた。広州に拠点を置く企業で、同様に「Gaussian」の正規代理店でもある。技術に優れたスタッフを抱えているため、今後の活動に期待が大きいという。


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