2014年冬CCS特集:CTCライフサイエンス

M7の対応で専任体制、共通基盤上で一貫サポート

 2014.12.04−CTCライフサイエンス(CTCLS)は、今年の4月に新社名を掲げ、第2の創業と位置づけて新たなスタートを切った。これまで中心に据えていた創薬支援領域から、病理・安全性、薬事・開発、製造・CMC、さらにブランディングやドラッグリポジショニングなどの戦略支援、基幹システム系インフラの提供まで、製薬業向けITソリューションを網羅的に提供していく。

 とくに現在、緊急に取り組みを強化しているのが、ICH M7対応のシステム群。中核は英Lhasaのナレッジスイートで、国内外で多数の導入実績を持つ知識ベースのインシリコ毒性予測システム「Derek Nexus」、毒性試験情報データベース「Vitic Nexus」に加え、統計ベースの予測ソフト「Sarah Nexus」が新製品として投入されて、同一プラットホーム上でM7ガイドライン対応に向けたハザード評価を一貫して行える。

 すでに「Derek Nexus」を導入しているユーザーが多いため、同社では専任の営業・技術・サポートエンジニアを整備し、Lhasaナレッジスイートとしてのファミリー全体での受注獲得を狙っていく。 「Sarah Nexus」単体の機能としては透明性の高さが特徴になるという。予測の根拠となる構造フラグメント情報と、変異原性に対する陽性/陰性の判定と予測の信頼値が明示される。

 同社は、統計ベースのM7対応ソフトとして米リードスコープの「モデルアプライアー」も擁している。こちらはすでに内外での導入実績が豊富で、予測感度の高さで良い評価を得ている。シンプルで使いやすく、試験データも含めてリファレンスが充実していることが特徴になるようだ。

 M7ガイドラインでは、発がん性のリスク評価を行ったあと、その遺伝毒性不純物(GTI)の管理オプションをパージファクターと呼ばれる新しい概念で検討するところまでも規定されている。そのため、Lhasaでは1年前にコンソーシアムを立ち上げて支援ツールの開発を進めてきている。同社はこうした情報も入手しやすい立場にあるため、国内ユーザーに向けてM7全体の取り組みをサポートできる準備を整えていく考えである。

 一方、製造分野では、世界標準であるPIC/S(医薬品査察協定および薬品査察協同スキーム)に対応したソリューションとしてBIOVIAの「QUMAS」製品に力を入れている。CAPA(是正措置・予防措置)などのイベント管理とそれにともなうSOP(標準作業手順書)などの文書管理を一括で行うことが可能で、部署ごとに散在した文書管理、品質プロセスのばらつき、システムバリデーション作業の負荷、海外展開時の法規制への対応など、製薬業界に共通の課題を解決することができるという。

 また、電子実験ノートブック(ELN)も好調であり、今年は多くの問い合わせがあり、多くの商談が進行中。「BIOVIA ELN」と英IDBS「E-WorkBookスイート」の2種類の製品を扱っている。


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