2014年冬CCS特集:菱化システム

圧倒的な情報量で強み、クラウド型研究基盤も注目

 2014.12.04−菱化システムは、三菱ケミカルホールディングスグループのシステムインテグレーターとして、専門的な科学技術計算や高度な研究開発ソリューションを幅広く提供している。CCS関連ではライフサイエンスからマテリアルサイエンスのモデリング/シミュレーション、電子実験ノートなどのインフォマティクスを含め、充実した製品ポートフォリオを持つ。

 なかでも、戦略商品に位置付けて来年に向けてさらなる拡大を図るのが、創薬研究・医薬品開発支援システム「SYMMETRY」(スペインのプロウスインスティチュート)と創薬研究情報共有クラウドシステム「CDD Vault」(米コラボレーティブドラッグディスカバリー)。

 とくに、「SYMMETRY」はICH M7対応の毒性予測機能を備えており、その意味でも注目度が高い。プロウス社は学術出版社を母体に50年以上にわたって数千万件の化合物情報を収集してきており、予測のもとになるコンテンツの充実で圧倒的な強みを持つという。最新データを加えて、常に予測モデルのチューニングを実施しているため、予測結果に対する信頼性にも優れている。

 作用機序、ADME物性、治療の適応症、毒性、副作用、ケモゲノミクス、パスウェイ解析など幅広いモデルが利用できるため、毒性・安全性に関しては、オフターゲットの評価を含めたホリスティックなアプローチを実現できることで注目されているようだ。

 一方、「CDD Vault」は、外部機関やパートナーと協調して研究開発を進めるいわゆるオープンイノベーション型の研究スタイルの基盤となるソリューション。創薬研究をターゲットにデザインされているため、化合物データやバイオアッセイデータの管理、データ解析などの研究業務を、クラウド上で互いに情報共有しながらセキュアに進めることが可能。すでに10年の実績があり、複数の研究チームが協働するためのきめ細かな機能が盛り込まれている。情報の開示範囲や開示時期などを簡単に設定できるほか、共同研究が一定の期間で終了したあとのデータの扱いや保存なども、ユーザー本位で自由に決定できるようになっている。


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