2014年冬CCS特集:ウェイブファンクション
タッチ操作対応で先行、教育から企業向けまで浸透
2014.12.04−ウェイブファクションは、抜群の使いやすさで企業の研究用途から大学・高専などの教育用途まで浸透している「Spartan」を開発・販売している。Windows版とマック版があり、とくにWindows 8 のタッチ操作に対応したことで斬新なユーザー体験を味わうことができる。
同社はCCSベンダーの中ではタッチ操作への取り組みで先行。iPad/iPhone専用アプリの「iSpartan」は、分子構造をタッチでスケッチして 3次元モデルに変換、配座解析を行うほか、「iSpartanサーバー」経由でデータベース検索やその結果の表示を行う機能を持っている。2,000円で購入でき、購入者全体のの10〜15%を日本人が占めているという。
そのタッチ機能を本格的な分子モデリングシステムと統合したのが最新版の「Spartan '14」で、ノートPCとタブレット端末の両方の機能を備えたいわゆるツーインワンデバイスでも使用できることから人気が高い。
とくに最近では、計算化学を始めてみたいという企業ユーザーが関心を持つケースが目立っており、無料で行っている基礎講習会にも企業からの参加が増えているという。東京中心に開催しているが、来年は関西での開催も計画中。企業からのオンサイトトレーニングの依頼にも応じている。シミュレーションは、孤立分子系の分子軌道計算が中心になるが、材料科学分野での利用も多い。
一方、iPad対応アプリのシリーズでは、学習用コンテンツの「Odyssey」も第1弾として10本を提供中。価格は1本あたり400円ほどなので、気に入ったものは手軽に購入できる。化学教育の目的で教室内で本格的に利用できる「Odyssey カレッジバージョン」も用意されている。
教育用途は同社にとって大きな市場で、「Spartan '14」のスチューデントエディションは、国内でも多くの大学や高専向けに導入実績がある。国内での対応は未定だが、米国では教育機関向けのアニュアルサイトライセンスが新設されており、導入しやすくなったとして引き合いが活発になっているようだ。