菱化システムが研究情報共有クラウドサービス
簡便・安価な「CLISS」製品化、大学などでの採用狙う
2015.02.11−菱化システムは、大学の研究室などで手軽に実験ノートを電子化し、研究情報の適正な管理と共有を図るためのクラウドサービスを製品化した。「CLISS」の名称で今春から提供を開始する。STAP細胞の研究不正問題を機に、大学や企業において研究情報の管理方法を見直す動きが広がっているが、既存の電子実験ノート(ELN)ソリューションは製薬業向けに厳しい法規制に対応したつくりとなっており、非製薬用途ではオーバースペックな場合が多い。それに対し、「CLISS」は簡便さを最優先に機能を絞り、安価なサービスとして提供することを最大の狙いとして開発したという。アクティブユーザー数20人までで、年間利用料100万円以下という設定。他の機関との共同研究チームで利用することもできる。
「CLISS」は、同社が販売権を持つ研究情報共有のためのデータベースソフト「CBIS」(米ケムイノベーションソフトウエア社)をベースにした製品。クラウドデータセンターとして、アマゾンウェブサービス(AWS)を採用しており、ユーザーは自分専用のアドレスに接続することで、CLISSのすべての機能をウェブブラウザーで利用することができる。
あらかじめ、実験ノートに必要なデータフィールドが設定されているため、契約後はすぐにそのまま使用可能。実験レポートIDや報告者、共同実験者、実験日、登録日、最終変更者、最終変更日などの基礎項目のほか、実験のタイトル、目的、材料・方法、実際に行った手技、結果、考察など、自然科学系の実験記録として標準的な入力項目が設定済みであり、追加用のフィールドもいくつか用意されている。
また、ファイルを自由に登録できるため、データ保管庫としても役立つ。画像はサムネールで表示され中身が一目でわかるほか、オフィス系のファイルやPDFであれば、添付ファイルのままでキーワード検索が可能。さまざまなファイルを実験とひも付けて管理できるので、データの散逸も防止できる。
とくに、グループ機能が便利。ユーザーを自由なグループに登録して、グループ単位で管理することで、データの公開範囲をグループ内だけに限定するなどの設定も容易に行える。さらに、データの登録・編集の履歴がログとして残るので、監査証跡としても有効だという。
大学では、学生によってノートの付け方がバラバラなこともあるようだが、CLISSを利用すれば統一性のある実験記録となり、記録としての有用性が高まる。また、1つのレコード全体を複製してひな形とすることで、同じような手順の実験の際にノートの記入の手間が大きく軽減されるなど、作成者にとっても効率が良い。
クラウドサービスであるため管理者不要で、利用料金を支払うだけ。機能強化も随時反映されるので、ユーザーは常に最新の状態でシステムを利用できる。申し込み後は数日から1週間ほどで使用可能になる予定。30日間の無償トライアルも用意されている。
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<関連リンク>:
菱化システム(科学技術システム事業部のトップページ)
http://www.rsi.co.jp/kagaku/cs/index.html
菱化システム(CLISS 30日間無料トライアル申し込み)
https://secure.rsi.co.jp/kagaku/cs/contact/request_research.html
アマゾンウェブサービス(トップページ)
http://aws.amazon.com/jp/