創造的人材や起業家を支援する「未踏」が活動開始

IPAの未踏事業核にイノベーション創出、ネットワーク形成で後押し

 2015.03.11−ITを中心にした日本人起業家を支援することを目的にした一般社団法人未踏(竹内郁雄代表理事)が10日、正式に活動を開始すると発表した。経済産業省所管の情報処理推進機構(IPA)が2000年から進めている“未踏事業”で発掘・育成された創造的能力を持つ人材を会員として集め、ビジネスマッチングの場を提供するなどして、優れた人材が活躍できる土壌を醸成していく。未踏事業の出身者がすでに1,600人いるほか、それに準じる能力を持つ人材も加えて、将来的には1万〜2万人規模の組織に拡大させていきたいという。

 記者会見した竹内代表理事(東京大学名誉教授)は、「未踏事業を通して、日本に優れた人材がたくさんいることは確かだが、残念ながら起業して成功する人は少ない。日本に、そういう人を支援する土壌がなかったことが問題だった」と指摘。とくに、米国社会などと比べて、喜んでリスクを負うサポーターの不在が大きな原因になっているという。

 IPAの「未踏IT人材発掘・育成事業」は10年間で延べ1,600人の人材を生み出し、そのうちの260人ほどは際立った能力を持つスーパークリエーターに認定されている。しかし、社会的な認知度が低いため、未踏出身者の多くはその能力を十分に発揮できない職場で働いたり、外資系企業に流出したりしていたという。

 社団法人未踏は、これら優れたクリエーターと、イノベーション創出に関心がある企業や社会とのネットワークを形成し、シーズとニーズもマッチングを促すことで、クリエーターが能力を生かして活躍できる環境や仕組みづくりを進めていく。具体的には、創造的人材同士の交流、創造的キャリアの支援、そのためのインフラ整備−の3点に絞って活動する計画。IPAとMOU(相互協力協定)を結んでおり、経済界や学界と強力に連携できる体制を取っている。

 会員としては、未踏出身の正会員(会費は月額980円)、未踏人材に準じる能力があると審査された賛助会員(同2,980円)、それ以外のオープン会員(同980円)の種別を設けている。このほかに、サポーターとして企業も加わる予定で、法人会員としてリクルート、日本ユニシス、ベンチャーキャピタルのWiLが加入。さらに、日本マイクロソフトが開発者向けプログラム「MSDN Unlimited」を3年間無償提供、3Dプリンターのものづくり拠点であるDMM.make AKIBAが初期費用と1カ月分の入居費用無料などの支援を行う。また、イベント開催に当たって、リクルートや電通がスポンサーとなっている。





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<関連リンク>:

未踏(トップページ)
http://www.mitou.org/

情報処理推進機構(未踏事業ポータルページ)
http://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/portal_index.html

会員サポート一覧


    正会員 賛助会員 オープン会員
運営 委員会等社団法人の組織運営への招待参加 あり なし なし
  組織内イベントへの招待 あり なし なし
交流支援 勉強会、研究会の場所や費用支援(審査あり) あり なし なし
  未踏会議等、特別イベントへの招待 あり なし なし
  定期交流イベントへの参加 あり 一部あり なし
  未踏学会への参加 あり 一部あり なし
  会員交流サイトへのアクセス あり なし なし
  一般交流イベント・サイトへの招待 あり あり あり
キャリア支援 メンターの紹介 あり 一部あり なし
  テレビ・新聞・雑誌・ITメディアへの紹介 あり 一部あり なし
  弁護士・会計士・弁理士・税理士・投資家等の紹介 あり 一部あり なし
  学会等学術系団体の紹介 あり 一部あり なし
知財利用 社団公開ソフトウェア・ソースコードの利用 あり 一部あり 一部あり
  文書ひな形の利用 あり 一部あり 一部あり
  社団公開特許などの知財の利用 あり 一部あり 一部あり
事業化支援 起業支援 あり 一部あり なし
  知財ライセンシング支援 あり 一部あり なし
  権利売却支援 あり 一部あり なし
  オープンソース化支援 あり 一部あり なし
  知財管理支援 あり 一部あり なし
  適切な業務提携先企業の紹介 あり 一部あり なし
情報支援 未踏メディアの定期購読 あり あり あり
  未踏事業情報のお知らせ あり あり あり
  助成情報等のお知らせ あり あり あり


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