2015年夏CCS特集:コンフレックス

海外市場の展開に拍車、最新版で配位探索機能追加

 2015.06.25−コンフレックスは、自社開発の配座探索ソフト「CONFLEX」の最新バージョン7 リビジョンCを4月にリリースした。国内では、実践的な活用法を示す講習会活動を活発に行う一方、今年は海外の展示会への出展を増やし、海外市場の開拓にも拍車をかけていく。

 最新版の機能では、ホストとリガンド分子の配位探索機能が追加された。これは、複数の分子を含む系について、1つの分子が他の分子に対してどの位置にどのような向きで配位するのが安定かを探索するもの。二量体や錯体の安定構造の探索に威力を発揮するという。こうした計算は非常に重くなるため、マルチコア並列処理に対応して計算速度を向上させている。今回の最新版では、Windows上でのMPI並列計算が実行できるようになった。

 また、実験科学者からの要望で搭載したのが、分子軌道法によるスペクトル予測精度を向上させる新機能。CONFLEXで発生させた配座データをもとに、Gaussianのスペクトル計算結果を重ね合わせることで、実験による実測値に近づけることに成功したということだ。

 同社では、分子軌道法のGaussian(米ガウシアン)や分子動力学法のAMBER(米カリフォルニア大学)も販売しているが、とくにわかりやすい講習会が好評を得ている。最近ではもう少し高度な使い方を学びたいという要望が増えているため、今年は入門編と応用編を関東と関西で開催する予定である。

 一方、CONFLEXの海外での普及にも取り組んでおり、米国に子会社を持つほか、中国を含むアジアにもいくつかの代理店を展開している。今年は、8月にボストン開催される米国化学会(ACS)、12月にハワイで行われるパシフィケムに出展し、海外のユーザーに直接アピールする。


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