2015年夏CCS特集:CTCライフサイエンス

グループとの連携強化、副作用報告電子化にも対応

 2015.06.25−CTCライフサイエンス(CTCLS)は、親会社である伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)との連携を一段と強化し、製薬企業のICTソリューションを包括的にカバーできる体制を構築。成長市場へのシフトをさらに加速させる。

 同社が第2の創業と位置づけて社名変更して1年が経過したが、顧客側からみたイメージも着実に変化してきているという。もともとの強みである創薬研究領域に加え、開発や製造など法規制に基づいた業務遂行が求められる領域で新しいソリューションを提供してきており、それがビジネスを大きく押し上げている。

 とくに、ダッソー・システムズ・バイオビアの「QUMAS」は、医薬品開発工程でのさまざまな品質文書(製造法、SOP、申請文書など)を定義済みの業務フローとともに提供するシステムで、すべてのGMP/GCP要求事項に対応。顧客の関心も高く、今年は本格的に導入が進むと期待されている。

 また、医薬品の副作用報告の電子化を求める“E2B(R3)”への対応も焦点になりつつある。来年から適用がはじまるため、今後数年間はシステム化に向けた需要が急拡大すると予想される。同社では、治験および市販後の安全性情報をトータル管理できる米アリスグローバルのソリューションを用いて、このニーズに対応していく。

 一方、CTCとの連携では、GxP対応のCSV(コンピューター化システムバリデーション)検証済みの環境をクラウドで用意した「PharmaCUVIC」が注目される。運用管理をベンダー側に任せることで、ユーザーはバリデーションにともなうドキュメントの用意や当局の査察対応などの負担から解放される。

 さらに、CTCが販売権を持つ米Boxのクラウドストレージを製薬企業にも紹介していく。セキュアに容量無制限でファイル共有ができるため、研究開発の情報を外部機関と連携させることを目的に、欧米のメガファーマの多くが採用し始めているという。電子メールでのファイル送信やインハウスのファイルサーバー共有に不安を感じるユーザーが増えていることがその理由で、今後は日本の製薬業にも導入が広がる期待がある。


ニュースファイルのトップに戻る