2015年夏CCS特集:化学情報協会

特許情報調査を効率化、化合物情報と明細書が直結

 2015.06.25−化学情報協会は、米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)の国内総代理店として科学情報検索ツール「SciFinder」のサービスを提供。化合物や反応情報、特許などもともとの豊富なコンテンツの強みに加え、ウェブ版の使いやすさもあいまってユーザーも着実に増えている。一括定額の利用契約もリーズナブルなもので、ユーザー機関内での活用率も高まっているという。

 SciFinderは、ウェブ版であるため随時機能強化されることが特徴だが、とくにこの2月にオプション機能としてリリースされた「PatentPak」の評価が高い。これは、特許調査をより効率化する機能で、検索した特許明細書をワンクリックでダウンロードすることができる。現在11ヵ国の特許に対応しており、ベーシック特許がドイツ語で発行されていても、同じ内容の対応特許が日本にも出願されていれば、それを日本語で読むことも可能。リンク1つですべて取得できる。

 また、化合物や反応情報で検索した場合、これまでもそのソースとなる特許情報を入手することはできたが、今回はそれが特許明細書の何ページに記載されているかが明示されるようになった。これにより、調査作業が大きくはかどることになる。

 さらに、この夏に追加される新機能「PatentPak Viewer」を利用すれば、ある明細書に含まれている物質情報を同じ画面内で確認することが可能。物質情報欄で目当ての物質をクリックすれば、明細書の中の記載位置がダイレクトにハイライトされる。物質情報欄のリストから構造検索/反応検索/マルクーシュ検索も行えるため、情報検索の効率性は大幅に向上すると期待される。とくに、明細書のページ数だけでなく、記載位置にダイレクトに飛ぶことができるのは世界初の機能になるということだ。

 SciFinderはここ数年、実験項コンテンツの拡充にも力を入れているが、他のデータベースサービスを併用しなくても、SciFinderだけで多くの調査ができるように機能追加されてきているようだ。


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