2015年夏CCS特集:エルエイシステムズ

代謝産物濃度を定量化、ユニークな分析器の提供も

 2015.06.25−エルエイシステムズ(LAS)は、長年の実績を持つNMR(核磁気共鳴)構造解析やMRI(磁気共鳴画像)画像解析分野に加え、コンパクトで使いやすい分析器などの取り扱いも始めた。BIOVIA製の電子実験ノートの販売も開始するなど、幅広いニーズに応える製品やサービスを取り揃えている。

 ソフトウエアでは、MRS(磁気共鳴分光法)データをもとに代謝産物の濃度を自動定量計算する「LCModel」(加ステファンプロベンチャー)の人気が高い。実際の患者のデータをもとに解析できるため、国公立の大学病院の多くに導入されてきているという。現在は規制のため研究用途に限定されているが、医療目的で利用できるようになれば、市場がさらに広がると期待される。

 また、ダッソー・システムズ・バイオビアの電子実験ノート「BIOVIA Notebook」は、企業・大学を問わず利用できる使いやすいノート製品で、あらゆる科学分野における実験データの共有を促進することが可能。親会社である生体分子計測研究所(RIBM)の顧客にも積極的に紹介していきたいとしている。

 一方、新たな取り組みとして、国内のベンチャーが開発したデジタル顕微鏡「Fino」(クラーロ製)の販売を始めた。これは、標本の電子データをそのままデジタル画像に変換する機能を持っており、画像ファイルとして保存したり、直接ビューアー上で観察したりすることが可能。設置面積がA3サイズとコンパクトながら、高解像度の画像が得られることが特徴となっている。

 また、米アクティブスペクトラム社の卓上型電子スピン共鳴(ESR)分光器「Micro-ESR」を発売したほか、液体窒素を手軽に生成できる「ELAN2 デジタル」(販売元・YOS、開発元・米MMRテクノロジーズ)の取り扱いも行っている。


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