2015年夏CCS特集:TSテクノロジー

計算ニーズ高度化対応、反応速度論解析などで評価

 2015.06.25−TSテクノロジーは、山口大学発ベンチャーの“ちえづくり応援企業”として、独自の計算化学技術をベースに、生命科学および材料科学分野の研究開発を支援する製品・サービスを提供している。

 中核事業である受託研究は、コンピューターシミュレーションによる分子設計・反応設計・化学合成支援などのテーマに沿った解析を行うもの。個別のニーズに合わせて実施する「フルオーダー」と、あらかじめ決まった計算メニューを選択する「クイックオーダー」の2種類がある。とくに最近は、専門的で細かなノウハウが必要な計算へのニーズが増加。

 一例として、自由エネルギー計算によるキネティクス(反応速度論)シミュレーションの評価が高い。反応時間と生成比(立体選択比)を精密に予測するもので、多段階反応や競合反応があるなど反応間の平衡関係が複雑な場合にも柔軟に対応することができる。

 また、最近の事例では、マイクロ波分光スペクトル(純回転・振動回転)の計算に成功した。宇宙物理学関係の研究ニーズに応えて実施したもので、Gaussianに独自のサブプログラムを組み合わせるかたちで計算を行った。このように、そのままで計算できないとあきらめず、なんでも一度相談してほしいということだ。

 また、自社開発製品である「EasyDiagram」を今年の夏にバージョンアップする予定。論文やプレゼンテーションで使用するダイアグラムをエクセルを使って簡単に作成するソフトで、最新版はエクセルのリボンメニューに完全に組み込まれるため、使い勝手が大きく向上するという。このソフトは、立教大学の計算化学演習の中で教育用にも使用されている。

 一方、独自に組み上げた高速並列計算機「NGXシリーズ」も好評。最新機種は、16コアCPU、64GBメモリーを搭載して、59万8,000円というコストパフォーマンスを誇る。


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