CTCLSが遺伝子変異の特定支援ソフトを本格提供

NGS活用のクリニカルシーケンス促進、統合データベース搭載

 2015.07.10−CTCライフサイエンス(CTCLS)は、次世代シーケンサー(NGS)の大規模データを活用するためのソリューションとして、独ジェノマティクスが開発した「GeneGrid」を国内で本格的に提供開始した。疾患に有意に関連する遺伝子変異の特定を支援するソフトで、がんをはじめとするアンメットメディカルニーズへの対応で注目される。とくに、疾患に関係する遺伝子やゲノムの変異を、NGSを用いて網羅的に特定する“クリニカルシーケンス”を促進することにつながるという。

 遺伝子の変異は、疾患の原因と密接に関連し、治療方法を開発するうえで有用な情報となるため、NGSの普及によって大きな注目を集めている。しかし、それら遺伝子変異データは世界中に散在しており一括して参照する手段がないため、遺伝子変異の解析結果の再現性が低く、臨床現場で利用可能な水準に達しにくいなどの問題があった。

 今回の「GeneGrid」は、世界中の文献や公共データベースから抽出した遺伝子変異とそれに関連する遺伝子、タンパク質、疾患など、さまざまな情報を統合したデータベースを内蔵。GATKなどの変異検出プログラムで解析された膨大なSNPsやInDelなどの変異情報を格納するVCFファイルを読み込むことで、独自アルゴリズムとデータベースに基づいて疾患に有意に関連する遺伝子変異を絞り込み、特定することができる、

 異なる情報源を一括参照できるほか、変異に関するさまざまな情報がアノテーションとして付加され、研究者が考察しやすいテーブル形式の画面に一覧表示される。ジェノマティクス社の他のソフトと併用することで、特定の遺伝子変異を中心にした他の遺伝子との関連がパスウェイ形式でも表示できるという特徴もある。

 GeneGridの有効性は、2012年に開催された「CLARITYチャレンジコンテスト」でも実証済み。これは、ボストン子供病院が主催したコンテストで、遺伝疾患を持つ3家族の原因遺伝子を特定するクリニカルシーケンスの精度の高さを競ったもので、10ヵ国/23チームが参加した。ジェノマティクス社は第2位を受賞しており、臨床応用された実績もあるという。

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<関連リンク>:

CTCライフサイエンス(トップページ)
http://www.ctcls.co.jp/

CTCライフサイエンス(GeneGrid 製品紹介ページ)
http://www.ctcls.co.jp/products/genomatix/gene_grid.html


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