パトコアが英PSEの経口吸収シミュレーションソフト発売

ファイザーと共同開発された「gCOAS」、製剤設計・臨床試験に効果

 2015.09.18−パトコアは、このほど英プロセスシステムズエンタープライズ(PSE)と代理店契約を締結し、薬物の経口吸収シミュレーションソフト「gCOAS」の国内販売を開始した。本国でも発売されたばかりの最新ソフトで、ファイザーと共同開発した高度なメカニスティクスモデルを採用している。動物実験のデータを使わず、薬物のサンプルや構造から簡単に調べられる物性値を用いてシミュレーションできることが特徴。製剤設計を効率化し、臨床試験期間を短縮する効果があるという。

 gCOASは、医薬原体(API)や製剤のヒト腸管吸収予測を高精度に実行するソフトウエア。直接計測したり構造式から推算したりできる物性値(溶解度、pKa、logPなど)を入力値としてシミュレーションを実行する。独自の予測モデルは“GI Transit Anatomical Segments”(GITAS)と呼ばれており、先行して実績のある“Advanced Compartmental Absorption and Transit”(ACAT)モデルに近い考え方がベースになっているという。

 とくに、ポピュレーションバランスアプローチを使用して、製剤内に存在あるいは消化管を通過しながら形成された各固相の粒径分布(PSD)を有限体積に基づいてトラッキングすることが可能。また、複数の固形フォームの動力学的共存が可能であるため、ユーザーは異なるAPI結晶形のリスクとベネフィットを評価することができる。結晶化のモデルも組み込まれているため、粒子核形成も考慮できる。

 このソフトを利用する全体的な効果としては、より良い製剤設計と臨床試験の周期短縮、創薬の初期段階での吸収性の評価、投薬量や粒度分布などの解析に基づく製剤設計の効率化、ファーストインマン試験(FIH)における投薬量や製剤設計の改善、臨床試験の規模の縮小・短縮、新薬上市までの期間の迅速化−などがあげられるという。






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<関連リンク>:

パトコア(トップページ)
http://patcore.com/jp/

パトコア(gCOAS 製品紹介ページ)
http://patcore.com/jp/product/gcoas/

CCSnews(gCOAS製品発表時のニュース記事)
http://homepage2.nifty.com/ccsnews2/2015/1q/2015_1Qpsegcoas.htm


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