2015年冬CCS特集:アークスパン

クラウドベースで統合、4種のアプリが高度に連携

 2015.12.03−アークスパン(Arxspan)は、外部機関と連携して研究を行うオープンイノベーションスタイルに適合したITソリューションをクラウドで提供するベンダー。CRO(医薬品開発受託機関)とのコラボレーションの目的で欧米の大手製薬企業に多くの実績を持つが、中堅クラスの企業や創薬ベンチャーが研究用のIT環境をオンプレミスからクラウドへ移行させるニーズにもかなっている。

 同社の「ArxLab」(アークスラボ)は、電子実験ノート、化学・生物情報の登録(レジストレーション)、インベントリー管理、アッセイデータ管理−の4つのアプリケーションをクラウドで利用することが可能。それぞれのアプリケーションは自動的に連携するようにつくられており、電子ノートに実験のための反応式を記述すると、インベントリーシステムに照会して、どの試薬ビンが使われたかが自動的にひもづけられる。反応後の生成物の管理も自動的にインベントリーシステムに引き継がれる。また、インベントリー管理でデータを編集すると、該当する試薬を使用したすべての実験に対して変更が通知されるという。

 また、新たにデータ解析ツール「ArxLab FT」が提供されたことで、研究者が自分の手元で簡単にさまざまなデータ解析を行うことが可能。アッセイやレジストレーション、インベントリーシステムのデータベースのカラム情報を参照して手早くデータを抽出し、スキャッタープロットやバブルチャート、ヒストグラムなどで分析することができる。社内データベースからアップロードして、クラウド上のデータと統合的に解析することも容易だ。

 外部システムとしては、化合物の法規制チェックを行うパトコアの「CRAISチェッカー」と連携することもできる。内部・外部のアプリケーションとも高度に統合化されているため、ユーザーは個々のアプリケーションの切り替えを意識することはない。研究における業務の流れや創造的な思考を途切れさせないことが大きなメリットだという。

 クラウドベースで、ウェブ環境で利用できるため、どこからでもアクセスでき、導入展開もスピーディー。標準で英語、日本語、中国語に対応しており、ワンクリックで言語を切り替えることができる。他国の研究パートナーとの情報のやり取りもスムーズになる。


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