2015年冬CCS特集:コンフレックス

結晶構造最適化で注目、量子化学計算とも連携強化

 2015.12.03−コンフレックスは、自社開発の配座探索ソフト「CONFLEX」に加え、米ガウシアンの「Gaussian」、米カリフォルニア大学で開発された「AMBER」といった計算化学ソフトを提供。最近では、これらを組み合わせて使う有効性が認識されるようになり、具体的な研究課題に対する適用方法など実践的な講習会を開催することでも評価が高まっている。

 主力製品のCONFLEXは、今年4月にバージョン7のリビジョンCがリリースされたが、現在は来年に向けてバージョン8への開発作業が進んできている。とくに、バージョン7で強化された結晶構造の最適化機能に対する注目度が高いため、それをさらに改良する方針。また、ダイナミックリアクションコーディネート(DRC)法を配座探索に活用する新機能も搭載される予定だ。

 結晶構造予測については、英ケンブリッジ結晶学データセンター(CCDC)で行われたコンテストに参加した。20組ほどがエントリーしたが、アジアからの挑戦者は同社のチームだけだったという。優勝者などの発表は来年の春になるが、参加に当たって過去の課題をCONFLEXで解析したところ、かなり良い結果が得られた。少なくとも、CONFLEXの手法の妥当性が検証できたとしている。同時に課題もみえてきたため、今後の開発に生かしていく方針である。

 CONFLEXについては、学会への出展など海外での普及にも長年取り組んでいる。すでに欧米はもとより、南米、東欧、アフリカ、インド、中国など販売実績は豊富。とくに中国からの引き合いが活発で、代理店も2社設けている。今年は円安効果で海外向けの売り上げが好調に推移しているようだ。

 一方、CONFLEXで精密な配座が得られるため、それを初期構造としてGaussianやAMBERにつなげるという使い方も浸透してきた。今年も活発に講習会活動を展開したが、顧客の特定の研究課題に合わせたオンサイト講習会の要求も多かったという。とくに、次期バージョン8では、配座探索のためのエネルギー計算にGaussianを使用する機能を組み込む予定。単純な有機化合物ではなく、金属錯体にも対応できる量子力学的方法を利用できるようにするもので、両プログラムの連携のメリットがさらに広がると期待される。

 また、AMBERも来年春には新バージョンが登場する予定。こちらも続報が待たれる。


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