TISが製薬業向けソリューション「Medical Drive」

CDISC標準対応の統計解析支援、営業領域含めトータルサービスへ

 2015.12.05−ITホールディングスグループのTIS(本社・新宿区、桑野徹社長)はこのほど、医薬品の臨床試験からプロモーション活動までの業務を効率化し、法規制などの環境変化にも柔軟に対応するためのIT活用を支援する統合サービスを「Medical Drive」として体系化し、提供開始すると発表した。まずは、来年10月から義務化されるCDISC(世界標準の臨床試験データ交換規格)標準への対応をにらんだ研究開発領域のサービスからスタートする。同社では、2017年度末までに周辺開発も含めて約30億円規模の事業に育てることを目指す。

 「Medical Drive」は、TISが製薬業界向けに培ってきたシステム開発技術や業務ノウハウの15年以上の蓄積をもとに製品化したトータルソリューション。大きく「R&D」(研究/開発領域)、「S&M」(営業/マーケティング領域)、「Platform」(業界横断型の基盤)−の3つから構成される。今回、まず第1弾として、CDISC標準への対応を迫られている「R&D」サービスから提供を始めることにした。

 これは、システムインテグレーターとして培ったシステム開発の品質管理手法や、臨床試験のフェーズ1からフェーズ3、さらに販売後調査や承認審査までの多種多領域にわたる160試験以上の経験・ノウハウを活用した統計解析サービス。レガシーデータからの変換など、40人以上の経験豊富な統計解析ツール(SAS)技術者が臨床試験・申請業務をサポートする。

 CDISCの申請臨床試験データモデル「SDTM」(Study Data Tabulation Model)や、申請統計解析データモデル「ADaM」(Analysis Dataset Model)などに準拠したデータマッピングやデータ作成、CDISC対応を推進するためのツールである「OpenCDISC」や「Define-XML」に対応するためのメニューが準備されている。

 また、サービス提供形態も、TIS解析要員が顧客サイトに常駐するオンサイト型と、統計解析業務をTISにアウトソーシングするオフサイト型の両方を用意した。

 一方、今後提供する予定の「S&M」サービスは、30社以上のMR業務支援システムを手がけた実績を生かし、SFA(CRM)実消化、DWH、BI領域のシステム構築をサポートするもの。とくに、新たな気づきを現場に与えるためのBIツールを活用したダッシュボード開発や、従来型データの新しい利用形態の提案により、データの中に潜在する暗黙知を可視化するなどの支援も行う。また、「Platform」サービスは、高度医療・地域医療というテーマに対して、製薬メーカーなどが利活用できる新しいデータのクラウドサービスを検討しているということだ。

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<関連リンク>:

TIS(トップページ)
http://www.tis.co.jp/

TIS(Medical Drive 製品情報ページ)
http://www.tis.jp/service_solution/medical_drive/medical_drive_for_RandD/


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