ウェイブファンクションが医薬品分子構造ハンドブック

約1,200種の構造データを収録、添付ソフトでグラフィック表示

 2016.02.05−ウェイブファンクション日本支店はこのほど、「Spartanで見る医薬品分子構造ハンドブック」(3,000円)を出版した。これは、東京薬科大学の土橋朗教授(情報教育センター長)が作成してきた3次元医薬品構造データベース「3DPSD」の内容を書籍化したもので、付属CD-ROMに入っている「Spartan View」を用いて分子モデルを自由に観察することができる。医薬品とタンパク質の結合を理解するための教育用途(薬学生向け)として準備された。国内で実際に使われている医薬品の分子構造データ1,200種類ほどが収録されている。

 3次元医薬品構造データベース「3DPSD」(http://psd.pharmis.org/)は、1997年11月から公開されており、計算化学によって求めた医薬品の安定配座(立体構造)を各種データとともに登録している。最近のデータ更新は、直接医薬品添付文書を調べ、単一の有機化合物からなる構造式を調査して、その安定配座を計算しているという。

 今回のハンドブックでは、医薬品を薬効別に配列し、それぞれ一般名(英名、和名)、化学名(IUPAC名)、分子式、分子量、CAS登録番号、化学構造式あるいは3次元構造のスナップショット、LogP値(水−オクタノール分配係数)、効能・効果の概要が記載されている。また、ケンブリッジ結晶構造データベース(CSD)に登録されている物質はその登録番号を、さらにプロテインデータバンク(PDB)に該当する物質がある場合はそのリガンドIDを載せているため、このような実験で得られた構造と計算した構造とを比較することも容易である。

 添付されている「Spartan View」(Windows版)は、インストールなしで起動するプログラムで、分子の大きさや形をあらわす電子密度表面や、原子と原子の結合をあらわす結合密度表面、分子中の電荷の分布を示す静電ポテンシャルマップなどを表示することが可能。そのほか、「Spartanスチューデントエディション」の30日間ランセンスがついているので、それをダウンロードすれば分子構造の作成・編集や分子軌道計算などの実行も行える。




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<関連リンク>:

ウェイブファンクション(日本語トップページ)
http://www.wavefun.com/japan/index.html

東京薬科大学(3DPSDのプロジェクト説明ページ)
http://5univsrv.toyaku.ac.jp/wp/3dpsd/?page_id=186

東京薬科大学(3DPSD)
http://psd.pharmis.org/


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