2016年夏CCS特集:アークスパン
クラウド上で情報管理、柔軟なアクセス設定が可能
2016.06.23−アークスパンは、2010年に設立された新進気鋭のベンダーで、一昨年に日本オフィスを開設したのに続き、今年はヨーロッパオフィスを開く予定であるなど、順調に事業が拡大。製薬業を対象とし、外部機関と連携するオープンイノベーション型の研究活動を支援するITソリューションをクラウドベースで提供している。
同社の「ArxLab」(アークスラボ)は、電子実験ノート、化学・生物情報の登録、インベントリー管理、アッセイデータ管理の4つのアプリケーションをクラウドで利用することが可能。それぞれから自由にデータを引き出して解析できる「FTツール」も用意されている。
すでに世界で50社以上のユーザーがあり、アカウント数は2,000を超えている。バイオベンチャーが社内の研究情報管理の基盤として導入するほか、大手製薬企業は外部パートナーとのデータ交換/データ共有の目的で採用するケースが多い。また最近ではアカデミアからの問い合わせも増えてきているという。昨年10月には米国で初のユーザー会も行われた。
最近では、化学系だけでなく、バイオアッセイなどを行う生物系研究者にも利用が広がっている。一種のデータバインダーとして、関連するドキュメントや画像などをどんどん登録しておき、ファイル検索機能を使って再利用することも容易。ブラウザーで表示するので、タブでいくつも実験情報を開いておき、相互参照する使い方も便利だという。
情報へのアクセス権限の設定も柔軟で、ユーザーをグループ化することによって、情報共有の範囲を簡単に指定することが可能。外部機関との契約が終了した際は、そのグループごと削除すれば、元のメンバーはそのデータにアクセスできなくなる。レジストレーション、インベントリー、アッセイのすべてで同様のアクセスコントロールが可能である。