2016年夏CCS特集:ダッソー・システムズ・バイオビア

組織横断的な研究基盤、生産改善と品質向上にも力

 2016.06.23−ダッソー・システムズ・バイオビア(BIOVIA)は、“3Dエクスペリエンス・プラットフォーム”をベースに、社内外を含めた組織横断的な研究開発基盤を提供。最新のツールを通して、幅広い利用者の個々のニーズにマッチしたイノベーションを提供するとともに、統合化によって顧客の研究開発組織やプロセス自体を活性化させることを目指していく。

 同社のソリューションは、「BIOVIAファウンデーション」を要として、サイエンスワークフローの作成と自動化から、モデリング&シミュレーション、データ管理とインフォマティクスまで、すべてが統一基盤上で統合されている。とくに、近年の一連の買収を通じて強化されてきたのがインフォマティクス領域で、統合ラボ環境、プロセス製造オペレーション、品質と規制の管理などの分野でさまざまなシステムを提供している。

 なかでも伸びているのが「ONE Lab」で、電子実験ノートと研究所内の各種実験機器・分析機器をつなぐLIMS(ラボ情報管理システム)を統合化したもの。実験の計画から実行までをサポートするとともに、実験に関係したあらゆるリソースを統合管理する機能を持っている。また、「BIOVIA Discoverant」は、製造プロセスの監視と継続的な改善を通して、収率を上げたり、バッチ切り替え時の廃棄ロスを削減したりするなど、品質向上とコスト削減に寄与することで評価が高い。さらに、「BIOVIA QUMAS」との組み合わせにより、コンプライアンス面の対応も万全になるという。

 今後はビッグデータの活用が広がる期待もあるが、その前に“ダークデータ”(組織としてデジタル的にアクセスできないデータ)の問題を解決することが先決であり、そうしたシステム開発にも取り組みたいということだ。

 なお、同社にとって日本は国別で米国に次ぐ第2位の市場で、非常に重要性が高いと位置づけている。ただ、年間の新規ライセンス収入では中国が国別第3位に急進してきているという。


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