2016年夏CCS特集:コンフレックス
最新版を続々提供開始、結晶表面解析機能など強化
2016.06.23−コンフレックスは、自社開発の主力製品「CONFLEX」の最新版を今月から提供開始。4月には米カリフォルニア大学で開発された分子動力学法ソフト「AMBER」と米パーキンエルマーの化学研究ツール「ChemDraw/ChemOffice」もバージョンアップ、今年は新製品攻勢で成長を目指す。
CONFLEXは、フレキシブルな分子の配座空間を探索し、化学的に意味のある配座異性体の最適化構造をもれなく見つけ出すプログラム。最新版はバージョン7 リビジョンDで、主に結晶表面解析機能が強化されている。超球状結晶を設定したミラー指数で切断し、その切断面に最も近い分子、または切断面上にある分子が受ける分子間相互作用を計算することができる。昇華エネルギーや吸着エネルギーなど、結晶表面に関わるエネルギーの解析に役立つという。また、結晶構造探索で行っている結晶構造最適化計算を分散させることにより、並列化効率を飛躍的に高めている。
一方、AMBERバージョン16は、外部電場の設定のサポート、トラジェクトリー解析の機能向上、ガウシアンアクセラレーテッド分子動力学の導入などがポイント。最新のGPU(グラフィックプロセッサー)をサポートしており、対応機能もかなり充実してきているという。
また、米ガウシアンの分子軌道法プログラム「Gaussian09」も昨年末にリビジョンE01がリリースされているが、これに合わせて詳しい理論などを解説した書籍「電子構造論による化学の探究」が20年ぶりに第3版に改訂された。これに関連したガウシアン社のホームページで、CONFLEXを使ったNMRスペクトル解析分野の利用例が紹介されており、両ソフトの連携のメリットがさらに広く周知されると期待される。