2016年夏CCS特集:CTCライフサイエンス

医薬品法令順守を徹底、副作用報告新基準に対応も

 2016.06.23−CTCライフサイエンス(CTCLS)は、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)グループとの連携に基づき、製薬業向けのIT基盤製品の提供から当局の法規制に対応したコンプライアンスソリューションまで幅広い領域をカバーし、複雑化・高度化するユーザーニーズに応えている。

 とくに、最近はクラウドサービスが注目されており、Box Japanとの共同で大きな導入成果をあげた。これは、一般的なオンラインストレージとは一線を画すもので、容量無制限、7段階のセキュリティ、140種類以上のファイル形式に対応したプレビュー機能など、エンタープライズクラスのコンテンツコラボレーションツールと位置づけられている。第一三共が全社導入を決めているが、同社では製薬業界内に広く普及する可能性があるとみている。研究開発分野のコラボレーションにも利用されれば、その裾野はさらに大きく広がるだろう。

 一方、今年については、電子実験ノートにあらためて力を入れる。生物系、CMC研究へと適用領域が広がっているため。顧客ニーズ最優先の取り組みで最適な電子ノート製品を提案していく。とくに、従来の低分子薬から分子サイズが大きいペプチド医薬などへと研究ターゲットが変化しているため、バイオ系の情報を取り扱うためのシステムが重要になるという。

 また、今年の重点戦略にファーマコビジランス(医薬品安全性監視)をあげる。これは、ICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)E2Bガイドラインで定められた個別症例安全性報告を提出するためのデータ様式がR3に更新されることにともなうもの。日本では2019年からR3が採用されるため、ベンダーにとっては今年と来年が提案活動のヤマ場になるという。具体的には、米アリスグローバルの「ARISj」で対応する。今年夏には日本のR3向けの機能実装される。

 そのほか、今月初めに厚生労働省が調査した結果として、すべての医薬品の7割近くで、国への届け出と異なる方法で製造が行われる法令違反がみつかった。この例では、原料の仕入れ先の変更を届けていなかったなどの場合に加え、品質管理のための試験を精度の高い内容に改めていたことも違反とみなされてしまう。こうしたことを防止するのがバイオビアの「QUMAS」。さまざまな品質文書(製造法、SOP、申請文書など)を適切に管理し、逸脱のチェックや人材教育も含めて、コンプライアンスの徹底を図ることができる。


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