2016年夏CCS特集:パーキンエルマー

データ解析基盤を拡充、電子ノート普及で新戦略も

 2016.06.23−パーキンエルマーのインフォマティクス事業部は、旧ケンブリッジソフトなどの体制を引き継いで、創薬と臨床とのトランスレーショナルリサーチ領域で強力なデータ解析ソリューションを提供している。同社がライフサイエンス市場での販売権を持つ米ティブコの「Spotfire」と米Attivioの「Signals」を組み合わせることによって、新たな成長領域を開拓していく考えだ。

 Spotfireは、創薬研究分野のデータ解析ツールの定番として豊富な実績を築いている。エンドユーザーが直接操作できる利便性と、化学構造を含む化学データを自在に扱うことができ、構造活性相関やクラスター解析、Rグループ解析などを簡単に行うことができる。最近では、臨床データの解析にも使われはじめており、トランスレーショナルリサーチの基盤としても有用性が高まってきている。

 とくに、同社が新たに販売権を得たSignalsは、社内外の構造化・非構造化データベースおよびデータソースにアクセスできるユニバーサルアダプターで、すべてのデータをSpotfireで可視化することが可能。この連携によって、さらに応用領域が広がると期待される。

 一方、電子実験ノートしては、製薬業向けの本格的な「E-Notebook」と、クラウド型で簡便な「Elements」の2種類を製品化しているが、さらなる普及を図るための新戦略として、「ChemOffice」最新バージョン15.1のサイトラインセンス購入者にElementsの1年間使用権を無償で提供することを決めた。

 主に大学への浸透を狙った作戦で、学生が電子ノートに慣れ親しむことで、将来に企業でのユーザーを増やすことにつながることを期待しているという。Elementsは現在は英語ベースだが、逆に大学なら使いこなせるとの狙いもあるようだ。


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