2016年夏CCS特集:菱化システム

電池材料開発など好調、電子ノート製品群を増強へ

 2016.06.23−菱化システムは、三菱ケミカルホールディングスグループの総合力を背景に、医薬・化学・材料研究を支援するITソリューションを幅広く提供している。昨年はとくに材料科学分野が好調で、電池材料など自動車関係をターゲットにした材料研究で採用が一気に進んだ。

 同社は材料系モデリングで各種のシステムを取り扱っているが、とくに評価が高いのが米マテリアルズデザインの「MedeA」。海外では、トヨタモーターヨーロッパと共同で特許出願するなどの実績もある。最近の電池材料開発は、電極まわりの反応を詳細に解析するなど、分子・電子レベルのシミュレーションが不可欠になってきている。今後は、広範囲な材料空間を効率よく探索するためのハイスループット計算が注目されるという。

 一方、生命科学およびインフォマティクス系では、電子実験ノートの幅広いラインアップを用意している。英IDBSの「E-WorkBookスイート」英ドットマティクスの「STUDIES NOTEBOOK」、クラウドベースで使いやすい米CDDの「CDD VAULT」、簡便・低価格が特徴の自社製品「CLISS」に加え、新たに米サイリジェンスと契約し、「Scilligence ELN」を提供開始した。電子ノートへのニーズは研究領域によって要件が異なるため、豊富な選択肢を用意しようというもの。とくに今年はメディシナルケミスト向けの情報共有ソリューションの提供に力を入れたいという。

 生命科学向けのモデリングシステムでは、加CCGの「MOE」が中心になるが、こちらでもGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を工夫することで利用者の広がりを狙っており、実際にメディシナルケミストの利用が伸びてきている。


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