ワールドフュージョンが米eMoleculesと製品・サービスを連携

化合物の探索から入手まで一貫、米国での事業拡大目指す

 2016.04.26−ワールドフュージョンは、創薬研究に利用する化合物の価格比較と購入サービスを提供している米eMoleculesと提携し、自社の創薬知識データベース「LSKB」と連携させる新たな取り組みを開始した。次世代シーケンサー(NGS)データや疾患から関連の深いタンパク質を経由して化合物を探索したり、既知のリード化合物との類似性から新しい候補物質を探索したりした結果を反映させ、その化合物を実際に入手するまでをシームレスに行うことができる。逆に、eMoleculesでみつけた化合物に対しLSKBでターゲット予測を行うことも可能。共同事業の第一段階では、米国でLSKBユーザーを増やすことを目指していく。

 今回の契約は、サンディエゴを本拠とする同社の米国法人が締結したもの。eMoleculesも本社はサンディエゴに置かれており、欧米の数十の試薬メーカーを網羅して、スクリーニング用化合物で800万種、ビルディングブロックで190万種、パッケージやサプライヤーの違いを含めると全部で2,000万以上の製品を取り揃えている。欲しい化合物は、CASやMFCD、SMILESで探せるほか、構造式での検索も可能。

 一方、ワールドフュージョンの「LSKB」には、疾患や遺伝子、タンパク質を中心に探索する「LSKB BioMed」と、構造の類似した化合物を探したり構造から活性の高いターゲットを探索したりする「LSKB Chem」の2種類がある。これまで、企業向けのオンサイト版とクラウド版が提供されていたが、今回のeMoleculesとの提携に合わせ、個人で利用できる「LSKB Personal」と「LSKB Free」を新たにリリースした。どちらもクラウドサービスで、BioMedとChemの機能を利用できる。「LSKB Personal」は月額100ドル(国内は1万2,000円)と安価な設定となっている。

 今回の協業では、両社がそれぞれ相手のサービスにユーザーを誘導することにより、互いの市場を広げることを目指していく。具体的には、LSKBで調べた化合物をeMoleculesですぐに入手できるほか、eMoleculesで購入しようとしている化合物に対し、LSKBでそのターゲット予測や類似化合物探索を行うことなどが容易に実行できる。

 日本国内の既存のLSKBユーザーも同じ機能を利用することができ、eMoleculesの対象製品が日本に配送できるものであれば、そのまま購入・入手することが可能だという。

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<関連リンク>:

ワールドフュージョン(トップページ)
http://www.w-fusion.co.jp/

ワールドフュージョン(LSKB 製品情報サイト)
http://www.lskb.jp/

ワールドフュージョン(米国法人トップページ)
http://www.w-fusionus.com/

eMolecules(トップページ)
http://www.emolecules.com/


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