CCS特集2016年冬:アフィニティサイエンス
生命科学系で豊富な製品、材料系MD活用で講習会も
2016.12.06−アフィニティサイエンスは、生命科学および材料科学分野の研究開発を支援する目的で、計算科学を中心としたソフトウエアとサービスを提供。ラインアップを広げることで実績も拡大してきている。
生命科学分野で注目度が高いのが、ファーマコフォア(薬理作用団)モデルに基づくインシリコスクリーニングソフト「Ligand Scout」(オーストリアのインテ・リガンド社)。とくに最近は、分子動力学法(MD)の計算結果を取り入れてファーマコフォアの変化を解析する“ダイナミックファーマコフォア”で注目されている。ワークフローツールのKNIMEと連携することも可能で、複雑な繰り返し処理を自動化できることで評価が高い。結合ポケット探索やアポタンパク質のモデリング機能も、ユーザーの関心度が高いという。
また、先ごろ戦列に加えた「YASARA」(オーストリアのヤサラ・バイオサイエンス社)の出足も好調。低分子からタンパク質まで対応できるモデリング&シミュレーションソフトで、膜タンパク質などの複雑なモデルを素早く構築し、MD計算やドッキングシミュレーションを簡単に実施することができる。GPU(グラフィックプロセッサー)を利用して計算を高速化することもできるため、ユーザーの注目を集めている。
また、5,270もの分子記述子を計算できる「DRAGON」(伊コデ社)もユーザーが増えてきているため、具体的な活用事例を紹介するセミナーを開催することにした。22日に東京・五反田で行う予定で、構造活性相関、計算毒性学、機械学習などのテーマを取り上げる。
一方、材料科学分野では、密度汎関数法による固体の電子構造計算プログラム「WIEN2k」(ウィーン工科大学)、汎用古典MDシミュレーションソフト「DL-POLY」(英国科学技術施設会議)などが中心になる。最近の材料研究ではMDの活用が進んでいるため、来年はDL-POLYの講習会を企画したいという。