CCS特集2017年夏:アフィニティサイエンス

記述子計算をAI応用、講習会などサポートを強化

 2017.06.21−アフィニティサイエンスは、生命化学と材料科学の両分野で計算科学技術の活用を支援。海外の優れたパッケージソフトの販売に加え、京都コンステラ・テクノロジーズと共同で受託研究・解析サービスも提供しており、順調に実績を伸ばしている。

 最近とくに注目されているのが伊コデ・ケモインフォマティクスの分子記述子(ディスクリプター)計算ソフト「DRAGON」。計算できる記述子の種類が5,270種とケタ違いに多いのが特徴で、構造活性相関(QSAR)、計算毒性学、マッチドモレキュラーペア(MMP)解析などの用途に加え、AI(人工知能)への関心の高まりにともない、機械学習分野でも注目されはじめているという。

 昨年12月にセミナーを開催し、大学や企業での先端的な活用事例を紹介したが、反響が大きく、もっとDRAGONについて知りたいという声が多かった。そこで、先ごろ初心者向けに実際の使用方法を学ぶハンズオン講習会を実施したが、これもすぐに定員が埋まる状況だったという。

 昨年秋に取り扱いを開始したオーストリアのヤサラ・バイオサイエンス社の「YASARA」も使い方を詳しく知りたいという要望があり、セミナー開催を検討中。創薬研究向けに生体分子系のモデリング&シミュレーション機能が統合されており、初めてインシリコスクリーニングに取り組むユーザーに適している。同社では、実際の研究で計算科学の効果を実感してもらうことで市場を盛り上げたいとの意図のもと、セミナーや講習会などの機会を積極的に設けていきたいとしている。

 一方、オーストリアのインテ・リガンド社が開発したファーマコフォアベースのインシリコスクリーニングプラットホーム「Ligand Scout」も機能強化が進み、国内でも固定ファンをつかみつつある。9月には開発元が来日する予定で、ワークショップ開催なども企画したいという。

 そのほか、新製品として、USBメモリーにLinuxと計算科学プログラムを内蔵した「REED」を開発中。起動中のパソコンに差し込むだけで、ソフトをインストールせずに、計算科学環境を立ち上げることができる。今年中にリリースする予定である。


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