CCS特集2017年夏:富士通

電子ノート中心に拡大、分析化学分野で新製品展開

 2017.06.21−富士通は、情報化学系と計算化学系の両分野でシステムソリューションを提供。競争力のある商品を揃えるとともに、国内屈指のシステムインテグレーターとしての底力で複雑化・高度化するユーザーニーズに対応している。

 情報化学分野では、パーキンエルマーの電子実験ノートブックが好調を持続している。主力の製薬業向け電子ノートは合成実験を中心とした化学系から、生物、さらには製剤へと適用分野が広がってきている。また、化学・材料企業からも引き合いが増えているという。とくに、最近の情報システム全体の傾向として、オンプレミスからクラウドへの流れが鮮明になってきているため、今後は広い視野で最適なシステム提案を行うことに力を入れたいということだ。

 情報基盤系としては、パトコアとの提携に基づき、ハンガリーのケムアクソン製品を提供しているが、これもウェブ対応の新プラットホーム「Plexus」をベースにした構築案件が増加。このように、最新のITを安心して任せられるのが同社の強みだといえる。

 さらに、今年は加ACD/Labs製品の扱いを強化し、創薬研究領域から開発領域へとターゲットを広げていく。その戦略商品が昨年末にリリースした代謝物データ自動管理システム「ACD/MetaSense」と、6月に発売したばかりの不純物データ統合解析管理システム「ACD/Luminata」。ともにエンタープライズクラスの高度な要件を満たしており、とくに後者はQbD(クオリティ・バイ・デザイン)アプローチによる不純物管理戦略の確立を支援できるとして注目される。

 一方、計算化学系は自社製品の「SCIGRESS」がメイン。計算化学のための統合プラットホームで、外部の計算エンジンとのインターフェースも備えている。分子軌道&バンド編、分子動力学編に分けて無料体験ワークショップを開催し、ユーザーのすそ野を広げてきているが、今年は参加者数が増加しており好調な出だしとなっている。今後は、材料インフォマティクスへの対応など、新たな展開も検討中だという。


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