CCS特集2017年夏:ヒューリンクス
最新版リリース相次ぐ、ベンチマークも社内で実施
2017.06.21−ヒューリンクスは、多彩な科学技術計算パッケージソフトを取り揃え、高度化する化学・医薬分野の研究開発を支援している。定番のソフトだけでなく、さまざまな角度からニーズに対応できるのが強みで、開発元との強い信頼関係も築いてきている。
現在とくに注目されているのが、今年1月にリリースされたばかりの汎用量子化学計算ソフト「Gaussian16」と専用グラフィックソフト「GaussView6」。旧バージョンよりも並列計算が高速化されており、独自にベンチマークを実施したところ、コア数を2倍にすると計算時間がおよそ45%に短縮されることを確かめた。とくに、SCFエネルギー計算における積分の効率が改善されているため、コア数によらず約3割の高速化が認められるという。
同社では、Gaussian16の新機能紹介セミナーを4月に開催したところ、非常に盛況で、5月の追加開催分もすぐに満席になってしまったという。定期的に行っている初級セミナーも順調で、これからも最新版を活用したいユーザーニーズに応えていく。
一方、創薬支援ソフト「StarDrop」がバージョン6.4に、非経験的量子化学計算パッケージ「Q-Chem」も同5.0に機能強化されたばかり。どちらも開発元がこの機会に来日し、顧客を訪問したりワークショップを開催したりした。とくにQ-Chemは4〜5年ぶりのバージョンアップで、計算手法が多彩になっている。今月行ったワークショップも国内では久しぶりの開催で、熱心なユーザーに歓迎されたということだ。
また、結晶構造解析・可視化ソフト「Crystal Maker」も今年の米国化学会で大型バージョンアップが予告された。根本的にプログラムを書き直すとされており、続報が待たれる。今年は、これらの新バージョンを中心にCCS市場に攻勢をかけたい考えである。