CCS特集2017年夏:モルシス

技術重視で新体制構築、新製品投入もさらに活発化

 2017.06.21−モルシスは今年4月、菱化システムの科学技術システム事業部が担当していたCCS事業を組織ごと引き継ぐかたちで独立、新たなスタートを切った。生命科学系と材料科学系のモデリング&シミュレーションから、研究所の情報化を実現するデータベースや電子実験ノートまで、幅広い製品群を提供。これまで以上に技術重視の体制を取り、ユーザーを強力にサポートしていく。

 同社は、菱化システム時代を含めるとこの事業で30年の歴史を持っており、主力製品の統合計算化学プラットホーム「MOE」の開発元である加CCGとも20年の関係を築いてきている。とくに、CCG製品に関してはベータ版の開発にもかかわり、リリースノートなどのドキュメントも原稿の段階で共有しているため、国内顧客に対しほとんどタイムラグなく情報提供ができていた。技術的な質問にもほとんど日本で回答できるようにするなど、開発元との距離を感じさせないサポートを心がけてきたという。こうした関係を他の製品の開発元との間にも広げていく。そのため、社内の技術スタッフにはさらに磨きをかけたいということだ。

 一方、製品面では、7月から新たにモレキュラーネットワークス・アルタミラ社と代理店契約を締結する。先方から申し入れがあり、国内での販売を担当することにした。創薬研究を支援するさまざまな製品群を持つようだ。

 また、国内でも評価が高いプロウスインスティチュートの「SYMMETRY」は、開発元が同じスペインのケムターゲット社とアライアンスし、統合製品を開発する計画を明らかにしている。探索段階から開発研究、承認申請までの各段階における意思決定を強力に支援する予測モデルを多数搭載していることが特徴で、作用機序モデル、疾患ベースモデル、毒性モデル、副作用モデル、薬物動態モデル、遺伝子オントロジーモデルなどを活用できる。統合製品の名称は「Clarity」で、国内でも大きな反響がありそうだ。


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