CCS特集2017年夏:ノーザンサイエンスコンサルティング
薬物動態解析で実績大、データ管理で自社製品開発
2017.06.21−ノーザンサイエンスコンサルティング(NSC)は、生命科学を中心とした研究開発を支援するシステムソリューションを提供。自社開発できる強みを生かし、ユーザーの要望に応えたきめ細かな製品づくりで実績を伸ばしている。
事業の中心は米シミュレーションズプラスの製品群で、薬物の体内動態をモデリング&シミュレーションする「GastroPlus」、化合物の物性予測を行う「ADMET Predictor」などが揃っている。とくに、GastroPlusはこの分野で最も成功したソフトの1つで、計算に必要なさまざまなパラメーターを算出・最適化するツールを備えており、薬物の消化管での吸収や血中移行、各部分への分布・蓄積・排泄の時間的な予測、さらには最適な投与量や時間間隔の予測など、製剤設計や臨床試験計画の立案に役立つ機能も組み込まれている。眼投与や経肺投与にも対応している。
また、最近では、ADMET Predictorの実践的な使用法を解説するハンズオンセミナーを開催したところ、ユーザーから大きな反響があった。既存のモデルですぐに物性予測を行うこともできるが、自分でモデル作成に挑戦したいというニーズが高く、オンサイトで講習してほしいという要望も出たという。薬物分子設計のための統合システム「MedChem Studio」の機能が順次組み込まれてきていることもあって、ADMET Predictorは機能的にますます充実してきている。
一方、自社開発製品では、各種の分析装置から得られる実験データを統合管理できる「ChartSpect」が好調。これまでは複数の研究者が同時に使用できるクライアント/サーバー版だけだったが、5月にパソコン1台で使えるパーソナル版をリリースした。
さらに、GastroPlusユーザーからの要望に応え、解析データを手軽に共有できる「G+Spect」(仮称)を開発した。GastroPlusを起動しなくてもデータを閲覧することができ、他の研究者が解析したデータを集めて比較することも簡単に行える。9月に発売する予定で準備中だ。