CTCが4月からライフサイエンス事業部を新設

製薬業のIT活用ニーズの変化に対応、CTCLS統合で新体制

 2017.05.12−伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、4月1日付で流通・エンタープライズ事業グループ内に「ライフサイエンス事業部」を新設、子会社のCTCライフサイエンス(CTCLS)を吸収・統合し、製薬業向け研究開発支援ソリューションを中心としたヘルステック領域のビジネスを新体制でスタートさせた。生命科学および健康・医療分野の主要顧客が、デジタル技術を自社の経営やサービスに本格的に取り入れる動きを強めていることに対応するため、事業体制を強化したもの。ソリューション領域も順次広げ、総合的な事業展開を目指していく。

 旧CTCLSは、1989年に親会社から分離・独立した組織で、薬物の探索研究・創薬研究を支援する川上領域で海外および自社開発のソフトウエアを提供するほか、川下の市販後調査分野でも豊富な実績を持っていた。近年では、川中の臨床試験や製造フェーズなど、医薬品のライフサイクル全体を支援するために製品群を拡張してきていた。

 今回の親会社との統合は、ユーザーニーズの変化が背景にあるという。まずは、製薬会社自体のビジネスが変化しており、医薬品を提供するだけでなく、治療過程で患者や家族をサポートするなど新しいサービスに乗り出す例があらわれている。こうした新しいビジネスモデルは、モバイル、センサーなどのIoT、ビッグデータ、AI(人工知能)といった最新の情報技術を駆使することになる。また、これまでCTCLSがメイン領域としていた研究開発分野でも、化合物情報や物性・活性などの通常のデータベースではなく、文書やメール、SNSなどの非構造化データを社内外から幅広く集めて解析したいなど、それまでのサービスでは対応しきれないニーズが頻出していたという。

 このため、親会社への再統合は、CTCLS側からの要望で進んだ。顧客も今回の統合には好意的で、IT活用で先進的な他業界の事例をフィードバックしてほしいという声もあがっている。AI技術への注目度も高く、ライフサイエンス事業部からCTCアメリカ(サンタクララ)に要員を派遣して本場の情報を集めているほか、4月に設立された「未来技術研究所」とも連携を図っていく。

 ライフサイエンス事業部の組織は、ライスサイエンス営業1部、ライフサイエンス営業2部、技術開発部に分かれており、旧CTCLSのスタッフがほぼ移行するとともに、本体からの異動組を合わせ全体で約130名の体制となっている。

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<関連リンク>:

伊藤忠テクノソリューションズ(トップページ)
http://www.ctc-g.co.jp/

伊藤忠テクノソリューションズ(ライフサイエンス事業部のページ)
http://ls.ctc-g.co.jp/


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