分子機能研究所が「HyperChem」の取り扱いを開始
分子構築から計算化学まで統合、独自開発SBDDツールと連携
2017.05.17−分子機能研究所(辻一徳代表)は、米ハイパーキューブが開発した統合分子モデリングシステム「HyperChem」の取り扱いを開始した。低分子から生体高分子まで、簡単に三次元構造を組み立て、内蔵した豊富な計算化学エンジンで解析、その結果を可視化するまでを一貫した操作で行うことができる。1980年代後半から世界中で使われているソフトで、国内でも代理店が変わりながら長く販売されてきているが、現在では同社が唯一の正規ルートとなっている。同社は、HyperChemをベースにしたSBDD(ストラクチャーベースドラッグデザイン)ツールを製品化しており、これとセットでの販売も加速させる。
HyperChemの最新版はバージョン8。開発元はバージョン9の開発も進めている。Windowsを中心に、MacやLinux(最新の環境では動作確認が必要)でも利用可能で、モデリング&シミュレーションのひととおりの機能をパソコンで手軽に実行できることが特徴だ。
具体的には、ドローソフトの要領で分子構造を描くと、ワンタッチで水素を付加するなどして三次元構造が立ち上がる。分子ビルダーには、アミノ酸、核酸、糖、ポリマーに対応した機能もあり、薬物と受容体の複合体構造を手早く構築することができる。
計算化学機能は、分子力場法(MM)、半経験的方法、ab initio法、密度汎関数法(DFT)、分子動力学法(MD)など網羅的に組み込まれており、計算手法を選んでそれぞれの計算条件を設定するだけですぐに計算を実行できる。量子力学のパラメーターを割り当ててMD計算をすることも容易。また、分子モデルのレンダリング機能も多彩で、計算結果をわかりやすく表示することができる。
同社では、このHyperChemの機能を利用して、未知タンパク質の立体構造をホモロジーモデリングし、薬物分子とのドッキングシミュレーションを行うためのSBDDソリューションを、「Homology Modeling for HyperChem」「Docking Study with HyperChem」などとして自社開発し提供している。合わせて普及を図っていく。
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