3社統合でNTTテクノクロスが発足

NTT研究所の最先端技術をもとに製品化、AI・メディア処理など核に

 2017.04.14−NTTテクノクロス(串間和彦社長)が4月1日に発足し、12日に都内で会社設立記者発表会を開催した。NTTソフトウェアとNTTアイティが合併し、NTTアドバンステクノロジの音響・映像事業を譲り受けたかたちでスタートしたもの。NTT本体の研究所との連携をベースに最先端技術で新しい価値を創出することを目指し、クラウド、セキュリティ、コミュニケーション、メディアなどの領域で存在感を発揮していきたいという。経営目標としては、初年度に売り上げ425億円(うちNTTグループ外が185億円)、営業利益12億円、2020年度に売り上げ500億円(同250億円)、営業利益22億円を見込んでいる。

 発足に当たり串間社長は、「単なる業務効率化や省力化ではなく、新たな価値をもたらすことがITの重要な使命になってきている。研究所が持つ最先端技術を掛け合わせるともに、外部のパートナーと相互にビジネスを掛け合わせ、全体として相乗効果を発揮することで新しいサービスを創り上げていく。そうした思いを社名に込めた」と述べる。

 ベースになった3社はもともと研究所とのつながりが深く、研究所から研究試作を請け負う形態の業務が多かった。今後は、そうした先端技術を商用化し、市場展開を図る活動をさらに加速させる一方、市場からの要求を研究テーマに反映させるような働きかけにも力を入れる。

 とくに、製品開発にはパイプライン方式を導入し、「新規・仕込み期」「立ち上げ期」「拡大期」「成熟期」とフェーズを分けて多数の開発プロジェクトを管理し、絶え間なく製品を生み出せるようにする。「製品開発はうまくいくものもいかないものもある。各製品の位置づけをはっきりと定義することで迅速な経営判断につなげたい」(串間社長)という。3年ほどで売り上げ1億円程度の「立ち上げ期」に入れるか、その後、売り上げ数億円規模の「拡大期」に移行できるかどうかが一定の目安になるようだ。

 当面は、映像・音声などのメディア処理、人工知能(AI)をターゲットとし、高付加価値なサービスを社会に提供することを目指す。具体的には、AIを活用したカスタマーエクスペリエンスの向上、働き方改革促進による社会問題の解決、2020年・地方創生に向けたおもてなし支援、IoTを活用した企業活動の変革、エンタープライズセキュリティの確保−などの分野を狙っていく。

 新会社の社員数は約1,800名で、「全員がベクトルを合わせるのにちょうど良い頭数であり、相当規模の開発をこなせる陣容でもある」(串間社長)。本社所在地は、東京都港区港南2-16-4、品川グランドセントラルタワー17階。合併前の売り上げ規模は、NTTソフトウェアが306億円、NTTアイティが59億円だった。

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<関連リンク>:

NTTテクノクロス(トップページ)
https://www.ntt-tx.co.jp/


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