モルシスが製薬業向けデータサイエンスプラットホーム

有効性・安全性など予測、SYMMETRY後継でケモターゲット社と販売契約

 2017.11.16−モルシスは、スペインのケモターゲット社が開発した「CLARITY」を国内で新たに販売開始した。医薬の研究開発におけるデータサイエンスプラットホームとなるウェブベースのシステムで、同じスペインのプロウスインスティチュートが提供していた「SYMMETRY」の後継製品という位置づけ。プロウスが今年5月にケモターゲットに戦略的な投資を行い、大量のデータを提供したことで製品化が実現、10月に正式リリースされている。薬物の有効性や安全性を予測するというコンセプトが明確になり、予測精度も大きく向上しているという。

 「CLARITY」は、プロウスインスティチュートが長年蓄積した豊富なデータベースと、ケモターゲットの特異なデータ科学/モデリング技術が融合した製品。化合物の有効性や安全性に関わる作用機序を予測し、活性や毒性、薬物動態、代謝物とその薬理学的影響といったプロファイリングを行う機能がある。化合物ライブラリーのバーチャルスクリーニング、標的タンパク質決定後の解析、ドラッグリポジショニング、潜在的な毒性や安全性の問題の予測、オフターゲットの相互作用の判別、代謝物に関連する安全性問題の把握などに活用できる。

 SYMMERYのコンテンツを統合することにより、100万化合物におよぶトレーニングセットを搭載。ターゲットとの親和性を予測する6種類の解析手法(Similarity、Similarity Ensemble Approach、Simplest Active Subgraphs、Local QSAR、Machine Learning、Cross-Pharmacology)、安全性との関連性を予測する4種類の解析手法(Ligand-Based、Fragment-Based、Target-Based、Pathway-Based)、さらに代謝物を予測する知識ベースの計算手法を搭載している。

 トレーニングセットになるデータベースは定期的に更新され、新しい化合物や作用機序、副作用の情報が追加される。また、わかりやすい可視化ツールを備えており、予測の裏付けになったデータを簡単に確認することが可能。オープンアーキテクチャーで開発されているため、ユーザーが持つ社内のデータを統合したり、第三者のツールと連携させたりすることも容易に行えるという。

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<関連リンク>:

モルシス(トップページ)
https://www.molsis.co.jp/

モルシス(CLARITY 製品情報ページ)
https://www.molsis.co.jp/lifescience/chemotargets-clarity/




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