2018年夏CCS特集:アークスパン
電子ノートから分析を依頼、ワークフロー機能組込み
2018.06.20−アークスパンは、クラウドベースの次世代インフォマティクスソリューション「ArxLab」(アークスラボ)を提供。電子実験ノート、化学・生物情報の登録、アッセイデータ管理、試薬管理、データ解析といった一連のアプリケーションを揃えている。最近では開発体制を強化し、アーキテクチャーをリニューアルしてきており、アプリケーション間の連携がますます充実している。
ArxLabは、ケムアクソン社のケミストリーエンジンをコアにしており、製薬業がメインだがバイオ企業や化学・食品産業でも実績が増えている。クラウドベースであることに加え、電子ノート機能の完成度、アプリケーションの品揃えなどでユーザーの評価が高い。
とくに、最近の機能強化で注目されているのがワークフローモジュール。これは、電子ノートのアドオンとして追加されたもので、開発に当たっては大手製薬企業の現場ニーズを全面的に取り入れ、共同開発のかたちで製品化した。その企業では、昨年末からプロジェクトをスタートし、今年4月には本番稼動に入っているという。
最大の特徴は、外部のCROを含む化合物の合成依頼、分析部門への試験依頼、品質管理部門への評価依頼、知財部門との情報共有などを電子ノートから統一的に行えるようにしたこと。リクエストのためのフォームは相手先に応じて自由に設計可能で、情報へのアクセス権限もグループごと、個人単位などで自由に設定できる。依頼を受ける側は、ダッシュボードで状況を確認するほか、メールでの通知を設定するなどして、ミスや漏れを防ぐ工夫が施されている。あとでリクエストの優先度を変更したり、依頼内容が変わったりした場合も直ちに変更が通知される。依頼した側は、ワークフローとして全体の状況をタイムリーに把握できるようになっている。
また、この機能を利用して、電子ノートのカスタムテンプレートづくりが可能になった。これまでは、合成・生物・分析・着想の4つの標準テンプレートを用意していたが、簡単に自社の業務に合わせた最適なフォームを設計することができる。化学分野などのユーザーに好評だという。