2018年夏CCS特集:パトコア
自社開発含め製品展開強化、法規制・特許関連など力
2018.06.20−パトコアは、ハンガリーのケムアクソン社の技術を中心に、創薬研究のための基幹システム、ケムインフォマティクス、法規制物質に関するコンプライアンス対応業務の改善・効率化支援など、さまざまな切り口で高度な製品群を提供している。システムインテグレーターであるマネージメントサービス(MSC)のグループ企業として、独自の製品開発にも積極的に取り組んでいる。
同社は、ケムアクソンの「Plexus」や「JChem」などを基盤としたソリューションで豊富な実績を築いているが、今年は創薬研究の最適化サイクルを加速させる製品群に力を入れる方針。具体的には、既存データから知識を抽出し、構造変換アイデアを提示する自社製品「Transformer」を機能強化するほか、米アルトリスのSAR(構造活性相関)解析ツールに機械学習機能を統合し、最適な配列や構造を提案できる「AMEDEO」、化合物をデザインする際に研究チームが協創する場を提供するケムアクソンの「Marvin Live」に力を入れる。
また、コンプライアンス対応では、自社開発の法規制化合物チェックシステム「CRAISチェッカー」が国内60社以上に導入されているほか、試薬カタログデータベース「SMARTS」も昨年の発売以来、大きな注目を集めている。これは、単に試薬を集めただけでなく、メーカー11社のカタログのフォーマットを統一し、情報を正規化したもので、構造式で検索でき、法規制情報も確認できるという特徴がある。さらに同社では、SaaSベースのコンプライアンスソリューションを開発中だということだ。
さらに、化学特許ソリューションにも注目しており、電子実験ノートから必要な情報を自動的に取り出して実験項を作成する「QuickPat」を今年製品化したほか、実施例からマーカッシュ構造を自動的に作成してクレーム文書を生成する「マーカッシュコンポーザー」がケムアクソンからリリースされたという。
そのほか、最近のトピックスとしては、改正化審法における少量新規化学物質の登録が来年1月から電子化されることにともない、製品評価技術基盤機構(NITE)が提供するネット版構造式作図ツールにケムアクソンの「Marvin JS」が採用された。