NIMSがMI研究向け無機材料データベースを提供

「AtomWork Adv.」を有償サービス、無償版からデータ量増強

 2018.06.22−物質・材料研究機構(NIMS)は、マテリアルズインフォマティクス(材料インフォマティクス=MI)研究に利用できる無機材料データベースとして、「AtomWork Adv.」の有償サービスを5月末から提供開始した。無償で提供している「MatNavi」の「AtomWork」をベースに、スイスのMPDS社(マテリアルフェーズデータシステムズ)との連携によりデータ量を数倍に拡張したもの。研究者が個人でも利用しやすいよう、クレジットカード決済にも対応した。

 今回の「AtomWork Adv.」は、文部科学省プロジェクト「情報統合型物質・材料開発イニシアティブ」(MI2I、エム・アイ・スクエア・アイ)の拠点となっているNIMSの統合型材料開発・情報基盤部門(MaDIS)および情報統合型物質・材料研究拠点(CMI2)が窓口になって提供するもの。約1,000種類の科学技術ジャーナルの文献から抽出した無機材料の結晶構造、X線回折、特性、状態図に関する情報を収録している。

 化学成分系、化学式、物質名、プロトタイプ、ピアソン記号、空間群番号、特性名などのさまざまな項目でデータを検索することができる。結晶構造データは27万3,830件が収録されており、各種情報に加え、3D画像を表示することが可能。CIFファイル形式で結晶構造データをダウンロードすることもできる。X線回折データは49万6,145件で、実験データと計算データについての情報・グラフが表示される。特性データは、物性種526件について29万8,021件が収載されており、電子・電気特性、磁気特性、機械的特性、光学特性、相変態、超伝導特性、熱・熱力学特性−の7つのカテゴリーに分類されてる。状態図データは4万301件で、状態図の画像とともに個々のフェーズ(相)の一覧などが表示される。

 また、便利なツールとして、縦軸・横軸・階層に対して異なる対象(特性・密度・最近接原子間距離)を選択する特性チャート機能、さらに縦軸・横軸の元素の組み合わせの収録データ数を色で表す材料マトリックス機能を利用できる。色表示は、物質数のほかに、最頻出結晶構造、特性平均値、状態図数で表示することも可能。

 利用契約は年間定額制で、シングルライセンスが15万円、シングルIPアドレスライセンスが10万円(公共・アカデミック5万円)、法人IPアドレスライセンスが200万円(同100万円)となっている。法人契約は銀行振り込みでの支払いとなる。

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<関連リンク>:

物質・材料研究機構(NIMS物質・材料データベースMatNavi)
http://mits.nims.go.jp/

物質・材料研究機構(AtomWork Adv.のトップページ)
https://atomwork-adv.nims.go.jp/


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