GitHubの企業向けビジネスが拡大

販売担当VPが記者説明会、「すべての企業がソフトデベロッパーに」

 2018.08.17−ギットハブ・ジャパンはこのほど、企業向けビジネスに関する記者説明会を都内で開催した。同社は、オープンソースを活用したソフト開発のためのコラボレーションプラットホームを「GitHub」の名称で提供しているが、とくに企業での採用が増えており、グローバルでのユーザー数は2,800万人を突破、利用中の組織や企業は180万にのぼるという。この背景について、米国本社のポール・セイント・ジョン(Paul St. John)販売担当副社長は、「AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、VR(仮想現実)などのイノベーションがビジネスを牽引する現在、あらゆる業界におけるすべての企業にとって、ソフト開発が重要なカギを握る。オープンソースを活用したアジャイル開発の手法を身につけることが企業の存続を左右する」と強調する。

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 「プログラム開発の時間の半分は会議に費やされていた。そこで、開発者同士がオンラインでプログラムのコードを共有し、コラボレーションすることで効率や品質を高めようというのが最初の発想」(セイント・ジョン副社長)で、2008年に同社が設立され、「GitHub.com」がリリースされた。2011年には、この開発環境を企業内で利用できるオンプレミスサービス「GitHub Enterprise」が提供開始されたことでユーザー数は急速に拡大。2015年に初の海外拠点として日本法人が設立されている。

 セイント・ジョン副社長は、すべての企業がソフトウエアデベロッパーとなり、ビジネス上のイノベーションをスピーディーに達成するべきだとし、米国の小売り大手ウォールマートの事例を取り上げた。この企業は、ネット販売のアマゾンに押され苦境に立たされていたが、2015年にシリコンバレーにソフト開発ラボを設立し、GitHubを導入。当初の開発者200人が、いまは6,500人にまで増えているという。

 GitHubはソフト開発においてコードを共有したり公開したりするためのサービスで、コラボレーションのプラットホームとして機能する。これにより、開発者同士のコミュニケーションが円滑になり、高品質なソフトを効率的に開発できるようになるという。アイデア段階から実際のコーディング、レビュー、テスト、そして最終的なリリースまで、ソフト開発プロセス全体をサポートしており、専門のベンダーが提供する各種開発ツールを組み込んで利用できるようになっている。すでにデファクトスタンダードとして扱われており、「GitHub Marketplace」から連携ツールを容易に入手できること、活用するための記事や書籍などが多く出ていることも強みとされている。

 日本のユーザー企業は、ソフト開発部門を別会社化したり、外注化したりしているケースが多いが、セイント・ジョン副社長は「ソフトによるイノベーションがビジネスと深く結びついてきているため、自分たちですべてコントロールしたいと考える企業が増えると思う。外部のITベンダーの力を借りつつも、そうするのがトレンドになるのではないか」とする。





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https://github.co.jp/


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