2018年冬CCS特集:アフィニティサイエンス
インシリコ創薬支援を強化、DNA配列解析にも引合
2018.12.04−アフィニティサイエンスは、創薬研究や材料開発のための研究支援ソフトウエアの輸入販売や受託研究サービスを提供。とくに、計算科学に注目した事業を展開している。
なかでも強化を図りたいのがサービスビジネス。京都大学発ベンチャーでビッグデータを駆使した創薬技術を得意とする京都コンステラ・テクノロジーズと共同で受託計算・受託研究サービス「ACISS」を展開していることに加え、今年からタンパク質間相互作用を標的としたペプチドミメティックによる創薬技術を持つ理論創薬研究所を加えた3社共同で「インシリコ創薬戦略コンサルティングサービス」も開始している。
この両サービスを組み合わせることで、顧客が狙う創薬テーマや重点領域に基づく文献調査から、候補化合物探索プロセスにおけるインシリコ創薬技術の利活用に関する戦略立案、実際のインシリコスクリーニングの実施まで、顧客ニーズにマッチしたサービス提供が可能。同社では、医薬品研究だけでなく、農薬や化粧品、食品分野へも提案を広げたい考え。これらは研究サイクルを回すのが速いため、計算科学の貢献が早期に結実する期待が大きいという。
一方、パッケージソフトとしては、豪ニュークレイクス社のDNAシーケンスデータ解析ソフト「PEAKTRACE」が立ち上がってきた。今年から本格的に取り扱いをはじめた製品で、サンガー法によるシーケンシングの読み取り品質と塩基配列長を改善するために開発された。ベースコール(一次解析)の大幅な時間短縮が可能で、装置に付属しているソフトよりも性能や使い勝手が良いとして注目度が高い。とくに、ゲノム編集がうまくできたかを確認するためにサンガー法が使われる例が増えており、それにともなってこの製品への需要も期待できるとしている。
その他の製品では、ファーマコフォアベースのインシリコプラットホーム「Ligand Scout」(オーストリアのインテ・リガンド)、密度汎関数法による固体の電子構造計算プログラム「WIEN2k」(ウイーン工科大学)、分子・結晶構造のモデリング・可視化ソフト「Crystal Maker」(英クリスタルメーカー)が今年夏にバージョンアップされている。分子記述子計算ソフト「DRAGON」(伊コデ)も順調に普及している。