米CASがブラジル知的財産庁と特許審査効率化でコラボ
グラフデータベースを含むAI技術活用、審査期間短縮に効果
2019.01.23−米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)は、ブラジルの知的財産庁(INPI)との間で、人工知能(AI)を応用した技術を用いて特許審査プロセスを効率化させ、特許申請手続きを迅速化する共同事業を開始したと発表した。特許申請されたイノベーションに関連する先行技術、またはすでに公表された信頼できる一連の情報を見つけ出すことで、特許審査官の作業を助けることができる。CASでは、今回の実績をテコに各国の特許機関との連携を推進したい考えだ。
CASは、文献と化学物質のクエリーに対するAI主導の回答の関連性を導入した「SciFinder-n」の開発を通し、ビッグデータ利用に重点を置いたことで、AIおよびデータ分析能力を大きく向上させたという。今回のINPIとのコラボレーションはこうした技術を活用したもので、CASの高度なグラフデータベースと一体化した索引化データがコアになっている。スコアの類似性、ワークフローの分類、および知識スペース探索機能を組み合わせて、信頼性の高い一連の先行技術、または主題のイノベーションに関連する以前に公開された情報を明らかにする。
グラフデータベースや機械学習を含むAI技術が、申請された内容の新規性や進歩性を検討・評価する上で必要な一連の文献情報などをINPIの審査官に提示してくれる。その結果、特許手続きの時間短縮が可能になるということだ。
現時点で、INPIがこの技術を実務に採用するスケジュールなどは公表されていない。
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http://www.inpi.gov.br/