アークスパンがブルカー傘下で再スタート

NMRなど機器事業とのシナジー、ワークフロー連携を重視

 2019.06.05−アークスパンが、大手分析機器メーカーであるブルカーのもと、新たな組織体制で事業展開を進めている。ブルカーはソフトウエア事業への進出を図り、昨年12月にスペインのMestrelab(メストレラボ)に過半数株主として資本参加したのに続き、今年3月にアークスパンを買収したもの。当面はアークスパンブランドでこれまで通りの活動を継続するが、今後合併のシナジーが図られていくとみられる。

 アークスパンは、クラウドサービスとして、電子実験ノート、化学・生物情報の登録、アッセイデータ管理、試薬管理、データ解析といった一連のアプリケーションを提供している。とくに、電子ノートと一体化したワークフロー機能が特徴となっており、化合物の合成依頼や分析部門への試験依頼、品質管理部門への評価依頼、知財部門との情報共有などを一元的に行うことが可能。このように、ブルカーの機器事業と連携できる要素が高く評価されたようだ。

 組織的には、核磁気共鳴装置(NMR)、電子スピン共鳴装置(ESR)、時間領域核磁気共鳴装置(TD-NMR)、核磁気共鳴イメージング装置(NRI)などを扱うバイオスピン事業部にソフトウエアビジネスとして組み入れられている。

 なお、ブルカーが昨年資本参加したメストレラボは、NMRや質量分析などの分光データを処理し、さまざまな化学情報を抽出し管理するソフトウエアソリューションを提供している。今回のアークスパンを含め、シナジーを出しやすいM&Aだといえそう。買収金額などの詳細は非公開となっている。

******

<関連リンク>:

アークスパン(日本語トップページ)
https://jp.arxspan.com/

ブルカー(トップページ)
https://www.bruker.com/


ニュースファイルのトップに戻る