CCS特集2019年夏:日本ケミカルデータベース

SDS作成を多角的支援、PDF取込みをロボット化

 2019.06.21−日本ケミカルデータベースは、化学物質の管理や法規制対応に役立つデータベースの専門ノウハウを持ち、各種製品やサービスを通して関連業務を支援するソリューションを提供している。江守情報グループを構成する1社として、グループ各社との連携を通しても事業の幅を広げている。

 同社は、とくに化学物質の安全データシート(SDS)作成での実績が豊富。ソフトウエアの販売から受託作成サービスまで幅広い要望に応えているが、なかでも富士通九州システムズと共同で運営しているクラウド型国内SDS作成支援ツール「ezSDS」の人気が高い。昨年からSDSを英語に変換する機能が追加されたことで評価され、契約も急速に伸びてきている。今後、さらなる機能拡張も検討しているという。

 また、国内向けに作成したSDSをもとに、本格的な海外向けSDS作成を支援する「Universal GATE」も対応国を順次広げており、引き合いが好調。標準対応で、韓国、中国、台湾、インドネシア、ベトナム、マレーシア、タイ、シンガポール、フィリピン(年内対応)向けのSDS原案に変換することが可能。EU・北米オプションとしてアメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、スペイン、ポーランド、ポルトガル、オランダ、イギリス、メキシコ(年内対応)、さらに個別オプションとして、ブラジル、アルゼンチン、チリ、ウルグアイ、コスタリカ、オーストラリア、ニュージーランドをカバーしている。

 一方、グループ企業であるアイティーエスが開発した「RPA for SDS」の取り扱いを始めた。ロボットによってホワイトカラーの単純作業を自動化するRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)技術を利用したもので、PDF形式のSDS文書をスキャンしてその内容をデータ化し、化学物質管理システムなどに取り込むことができるようにする機能を持っている。SDSは発行した企業ごとに書式が若干異なることもあり、単純に読み取ることが難しかったが、RPA技術を利用することでゆらぎを変換して標準の形式に統一することができる。今年から販売しており、今後の成長が期待できるという。

 そのほか、昨年から化学製品ポータルサイト「SDSライブラリ」のサービスを開始している。SDS提供者と閲覧者をつなぐ無料のポータルサービス。最近、特定の閲覧者だけに公開するなどの制限機能を有償で追加しており、こちらも機能を着々と広げていく方針だ。


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