FJQSが富士通から「SCIGRESS」のビジネス移管
フォーラム・ワークショップ再開、海外への普及にも力
2019.06.06−富士通九州システムズ(FJQS)は、計算化学ソリューション「SCIGRESS」を富士通からビジネス移管され、今年度から本格的に銅製品の事業体制を再構築した。移管が進行中だったため昨年は実施されなかったユーザーフォーラムも今年から再開するとともに、新規ユーザーの開拓を兼ねた無料体験ワークショップも7月から再スタートさせる。製品の機能強化も引き続き行う計画で、とくにマテリアルズ・インフォマティクス(MI)との連携を見据えたQSAR/QSPR(構造活性相関/構造物性相関)機能の拡充を図る。
SCIGRESSは、もともと富士通製品だった分子モデリングソフトCACheをベースに、材料系の分子モデリング&シミュレーションシステムとしてグレードアップしたもの。名称は2007年から使用しているが、各種の計算エンジンを利用できるプラットホームとして、現在のSCIGRESSのかたちになったのは2008年のことだった。
今回、富士通グループのCCS関連事業として、富士通本体はソリューションサービスと、AI(人工知能)などの次世代技術開発に専念し、パッケージ製品はFJQSを主体にする体制に変わった。SCIGRESSの販売自体は富士通も続けるため、実態として大きな変更はないという。SCIGRESSの開発は、当初よりFJQSの子会社であるFQSポーランドで行われており、FJQS主導であらためて海外での販売にも力を入れる方針。手始めとして、ドイツの学会に出展したほか、ドイツにある富士通テクノロジー・ソリューションズ(FTS)との連携も検討しはじめている。
なお、SCIGRESS無料体験ワークショップは、7月3日に分子軌道編を、7月4日に分子動力学編を実施する。時間は午後1時半から5時までで、会場は東京都品川区・大井町駅前のアワーズイン阪急ツイン館第8会議室。参加費無料で、定員は10名までとなっている。実習形式で、実際の計算の実行や計算結果の解析を体験できる。
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