PreFEEDが化学工学エンジニア教育にフォーカス
技術レベルのアセスメントも実施、タイでもパブリックトレーニング
2019.04.05−PreFEED(熊谷善夫社長)は、化学工学エンジニア向けの教育事業を強化する。日本の化学産業がファイン化/スペシャリティ化の推進による成長戦略を志向するなか、国内でのプラント建設機会など経験を積む場が減少していることや、IT化にともなう技術のブラックボックス化など、技術力の低下が懸念されているため。同社はこの分野で十数年の実績があり、個々のエンジニアに向けた講座や実務教育の実施、実際の業務課題に対するコンサルティングなど、幅広いサービスを提供している。最近では海外での化学工学教育にも乗り出した。
化学工学会が数年前に実施したアンケート調査によると、企業にとって重要だが、最近知識が低下または不足していると思われる分野として、基本の化学工学量論に加え、伝熱、分離、化学装置設計、モデリング・シミュレーションなどが取り上げられている。また、学校教育ではなく企業内で学ぶものとして、プロセス制御・システム工学、化学装置設計、モデリング・シミュレーション、安全などが重要だとされている。
同社では、大手化学企業などでの実務経験を持つスタッフを増やして高まるニーズに対応。30歳実務者、35歳サブリーダー、40歳生産技術系リーダーなど、モデルごとに習得すべきスキルを育成マイルストーンとして独自のノウハウで規定し、基礎教育から応用教育までのカリキュラムを提供するとともに、アセスメントテストも実施している。テストは、過去2年間で1,000人以上が受検しており、テスト結果をこのデータと照らし合わせることで、自社のエンジニアのレベルがどれくらいか、苦手な分野がどこかなどを分析することが可能になる。また、他社の受検者群との比較により、レベル差や能力のバラツキなどを知ることもできるという。
さらに、プラント収率改善や機器能力アップ検討、未反応原料の低減検討、新規連続装置開発、重合反応挙動解析、プラント全体の省エネルギー、精密化学品の高度精製など、具体的なテーマを取り上げ、それに合わせた教育を行ったり、実際の改善に取り組んだりする実務教育&コンサルティングへのニーズが増加してきている。前年度は国内7社と海外1社に提供した。
PreFEEDとしては、幅広いエンジニア教育のコースを持つことと、オンサイトやパブリック、eラーニングなどの多様な支援手段、教育を成果に結びつけるためのノウハウを備えていることが特徴。最近では、海外での教育事業にも乗り出しており、昨年10月にタイのチュラロンコン大学と提携して化学工学のパブリックトレーニングを実施した。現地の化学企業などが参加したもので、好評だったため、今年5月に第2回を行う予定になっている。
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